Hideyuki Hashimotoの音楽/愛おしいものたち
ここ数年、生活に欠かさない音楽がある。
初めて出逢ったのは、尾道の素敵な本屋、紙片が製作したアルバム「紙片の音楽集」の"koku"という曲だった。
シンプルで温かみがあり、優しくて、澄んだ匂いのする音楽。間違いなく人がつくった、美しい繊細なメロディであるのに、まるで自然の音の一部のよう。音源に混ざった環境音や、ペダルの踏む音も心地よい。
心奪われ、「こんな音楽があるんだ。」と驚いた。
あれから、近いジャンルの音楽にもたくさん触れてきて、本当に多くの素晴らしい曲に出逢ってきた。
それでも、ここ数年は彼の曲を聴いている時間が一番長い。
聴き続けてみると分かる、身体に馴染み、生活の様々なシーンに合う音楽。
彼の音楽と出逢って、今までとは違う音楽との関わり方が生まれた。
料理をするとき
食事をするとき
本を読むとき
歩くとき
文字を書くとき
大切な人と、談笑をする。静かに過ごすとき。
ひとり、考え事をするとき
日常の様々な色ん時間にそっと寄り添ってくれる。
また、彼の音楽があることで、少し姿勢がよくしようと思ったり、じっくりと文字を味わったりと、「この音楽のようにありたい。」「大切に時間をつかいたい。」という気持ちがやさしく働いて、その時間の質にも影響を与えることがあるように思う。
もちろん、曲にただ集中して楽しむことも多い。
好きなアルバムは「room」、「breath」、「草稿」、「april」シリーズなどたくさんあるが、中でも特別なアルバムのひとつが、「home」というアルバムだ。
瀬戸内海に浮かぶ小さな島の小学校に眠っていた、一台のアップライト・ピアノ。その優しい音色がHideyuki Hashimotoの指先によって、静かに目を覚ます…。窓を開放し、鳥の声をはじめ周囲の自然音など島の空気と共に紡いだ24の小曲集。
「home official website」より
自然の音と彼の奏でるメロディが溶け合った、とても心地の良いアルバム。
目を閉じると豊かで静かな自然の景色が目の前に広がり、島の空気や、匂いを思い出す。
はじめて彼が香川に住み、瀬戸内で音楽活動を行っていることを知ったとき、とても自然なことだなあと納得した。あの穏やかな海の近くで生まれた音楽なんだと。
homeを聴きながらこの記事を書いていたらまた瀬戸内に行きたくなってきた。王子が丘のカフェ、belkで行われている演奏会にいつか行きたいな。
音楽だけでなく、アートワークも魅力のひとつ。
こちらは、岩倉しおりさん。
こちらはsaitou misa さん。どちらも感性にふれる素敵なアートワーク。音楽を聴く前、聴いている時、どんなジャケットが表示されるかは音楽体験に大きな影響を与えるように思う。新曲が出る度、アートワークも楽しみにしている。
また、Youtubeや各種SNSで投稿している、手元のみを写した演奏動画もとても素敵。心が落ち着く。
実はこの動画を観ていて、どうしてもピアノを弾きたくなり、経験は全くなかったが、最近自宅でひとつの曲を友人に借りたキーボードで彼のとても好きな曲をひたすら練習している。(なんと、公式HPにて多くの曲の楽譜を無料で公開してくださっています。)
はじめは右手と左手を違うリズムで動かすなんて、、というところから始まったが、今は随分弾けるようになってきて、とても嬉しい。好きなものは、また新しい縁を繋いでくれる。いつかどこかの本物のピアノで弾けたらと思う。
それから、展示やイベントなどを行う際はぜひ会場で流したい。この音楽とかけ合わせたいものがたくさんある。
好き過ぎてまた脈略のない記事になってしまいましたが、もしよければ、聴いてみてくださいね。
最後に
あなたの奏でる音楽にいつもとても力をもらっています。
これからも応援しています。
こちらのApple Musicに挙がっているすべての曲が入ったプレイリストもおすすめです。ずっと聴いていたくなります。