教える事 、すでに有るものを引き出す事
技術を教える事
相手の「すでに有るもの」を引き出す事。
この二点をどう融合させてクラスを作るか?
そこにエネルギーを注ぐ事が有る。
様々なメソッドがこの世にあるので、なるべく何でも体験するようにしているのは、そのメソッドの「特徴」が、どんな人にどう有効なのか?を知りたいから。
そういった意味では、今までにいろんな技術を身につけてきたけれど、その学んだ事をそのまま使うなんてできない。
それは、全く同じアプローチになる事なんて、一つとして存在しない。
最初は、習った通りにしかできないのが普通。
その次の段階は、習った技術の「背景」を理解する事。
なぜ、いま、この技術なのか?
その技術の背景を理解するために、解剖生理学や機能解剖学、運動生理学などが必要となる。
オイルマッサージを教え始めて20年以上経つけれど、その中で教え方も変容している。
その変容の理由は、こちらの記事に少し書いている。
すでに有るものを引き出す
というは、すでにエステティックやアロマテラピー、スウェディッシュなど、様々なトリートメントメソッドをすでに身につけている人に教えているからだ。
どんな「技術」を身につけているのか?
何を見てきたのか?
どんな職場で働いてきたのか?
トリートメントって本来は「自由」なもの。
ダンサーはトリートメントが上手、と思っている。
でも、ダンサーにも色々いて、コンテンポラリー、即興ができる人と、振り付けがないと踊れないのは違うよね。
それと同じで、自由にトリートメントができるのは、技術の背景を理解しているから、とも言える。
だから、技術の「順序」よりも、大切はなのは、「何故、今、この位置に手を置いているのか?」なんだよね。
実は、教科書に書いてあるようで、書いていない。
心地良く手を置けるのは、「信頼」があるから。
技術とその背景の絶対的安心感・信頼感は、手に表れる。
そして、立ち位置。
安定した立ち位置は、姿勢の制御が無理なくできているか?と関わる。
そんなことを「教える」ことは、ある意味「簡単」。
難しいのは、すでに持っているその人の潜在的なチカラを引き出して、
それを、技術に活かせるようにするコーチング。
だから、「待つ」ことにも時間をかける。
メソッドを配布する事も大切だけど、その背景をどう受け取るか?によって、信頼感が変わることを何度も経験している。
どんな技術を身につけても、自分自身で「すでに何を持っているのか?」を受け取って、それを「信頼」していなければ、その技術の本当のチカラがうまく伝わらない。
今あるものを整理しよう。
すでにもう持っているもの。
その「持っているもの」の中でも見落としがちなのが「知覚」
すでに持っているのに、技術や理論によってかき消されてしまっている人が多い。
手から受け取る情報を信じる。
そして、それを理論と繋げる
次に、言語化する。
この繰り返しが、教えることに繋がっている。
これは、ずっとレッスンをし続けるのだと思う。
教える相手が増えても、ずっと、レッスンし続ける。
そして、相手が変われば、出し方も変わる。
私自身も「すでにあるもの」は常に整理する。
誰に、何を出すのか?その出し入れに意識を向けている。
出し過ぎても受け取れない。
教え過ぎは、自分の満足でしかない。
だから、俯瞰する。
時々、オイルマッサージを教える事と育児が似ているな、と思うことがある。
育児の中でも「待つ」大切さを身にしみる。
教え過ぎないレッスンが、常にやってくる。
だから、どう教えたらいいかなぁ、の前に、すでに「自分自身が何を持っているのか?」の整理が大事。
そうしたら、何を出せばいいのかが明確になる。
トリートメントを楽しむことも、安心してトリートメントができる事と同じだな、と実感する。
教え過ぎないレッスン。
そして、自分の中にあるものを整理する。
技術の背景を理解する事は、ワークショップホリックから脱するキッカケにもなる。
そうゆう意味で、ユルメディオイルトリートメントは、引き算のトリートメントだ。
足し算のトリートメントを学ぶ時は、まずは自分が持っているものを目の前に並べてみて、足し算にどう生かすのか?を見てみよう。
すでに有るものの整理。
どんなことにも通じるな。