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精神科訪問看護、最後の日。

ぼくがうつ病と全般性不安障害になったのは、2019年10月のこと。
同じ主治医のもとで治療し続けているが、朝の抑うつ、希死念慮、病気不安、広場恐怖など、回復には程遠い毎日を送っている。

そんな中、昔から精神科訪問看護としてサポートしてくれていた会社を変えることにした。診療報酬の過剰請求が報道された会社だ。
ぼくを担当して下さった看護師さんたちは誠実に仕事をこなされていたと思う。ただ、報道内容と今後の運営に不安を感じて止めることにした。

元々は、隣の市にある別のステーションで看てもらっていた。そこは看護師さんの人員が多く、いろんな経験を持った看護師さんとの会話で得られることが多かった。
ぼくと同じように不安障害で悩まれている方と、何かしらの形で交流できたらという話もしていた。どうしてもつらい時に話を聞いてくれる方もいて、感謝してもし切れないほどだった。

しばらくして、ぼくの住む市にステーションの新設が決まった。担当の看護師さん一人がそこの管理者になり、ぼくもそのステーションの管轄になることに。これまでのスタッフさんとはここでお別れ。新しく二人の看護師さんが近隣のステーションから異動になって、今年は変化から始まる一年になった。

新しい看護師さんたちに慣れ始めてきたと思いきや、年度末に管理者さん以外の看護師さんが再び異動になってしまう。新しい看護師さん二人を迎えて、新年度が始まった。
地域活動支援センターのスタッフさんともちょうど年度末でお別れになったのも重なって、また一から信頼関係を構築しなければならないのか…と落ち込みが酷かった。

そんなボロボロの中、今回の報道がされた。
ここまでならまだギリギリどうにか続けようかと思っていたが、ずっとお世話になってきた管理者さんが一か月お休みをもらっているという事実を知り、ぼくの心は折れてしまった。

報道のことを訊ねてものらりくらりとかわされ(もちろん会社の一員である以上、勝手に本音は言えないだろう。しかし、本音で話せない相手を信頼しろというのは無理がある)、ぼくの方が報道内容に詳しい始末。

報道に対して不安を感じている利用者へ、何をどう伝えるかって最速で全社共有すべきではないだろうか。ぼくが聞かなければ話題にも出さないその姿勢が受け付けなかった。

新しい管理者の方に5月末で契約解除をする旨を伝え、来たる5月31日。

最後の訪問日。

留守番電話に「病欠でスタッフが足りず、訪問できる者がおりません。訪問をキャンセルさせていただいてよろしいでしょうか。申し訳ありません。これまでご利用をありがとうございました」と入っていた。

怒りよりもむなしかった。
最後の日に話をしてもこれ以上何かできるわけじゃない。
病欠でスタッフが足りていないなら、続けて利用する方を優先していただきたい。
それでも、こんなたやすく縁が切れることに、ぼくの中の糸も切れてしまったようだった。

民間の会社なので経営が大事なのはもちろんそう。
今回の場合は、近隣の市のステーションでも事足りていたのに、新しいステーションを作って拡大し過ぎたのが失敗だったのかなと。

新しいスタッフを迎える管理者も利用者も大変だし、新たに営業をかけていくとなると負担が大きすぎる。ただでさえ精神科訪問看護のステーションは増える一方なのに、拠点を増やしてそのパイを奪い合うメリットがあるかは疑問。

あと、精神科訪問看護とは言っても、精神科特化だから何がメリットだったんだろう?と振り返ることも。「でも」と話をぶった切る人もいたし、こちらの精神症状のつらさを丁寧に聞き取ろうという感じでもなかった。服薬管理のことも一切聞かれなかった。ぼくが薬を飲んでなかったらどうするんだろう?

ぼくの方が専門書を読んで、この本がいいですよと紹介していたくらい。このあたりはぼくも訪看さんを使って動く!くらい主体的に行動していかないといけないと痛感した。

ともかく、新しい精神科訪問看護さんと契約をして、また一からスタート。
地元の精神科で働かれていた方のステーションなので、大手みたいに急な異動はなくなりそう。
ほんとに信頼関係を築くのって大変なんですよ…。
頼れるってなった時にいなくなるのは、かなりしんどかった…。

心機一転、やっていきます。

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