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恋の逃避行 正直な心と自尊心 仁徳天皇二六 神話は今も生きている ことの葉綴り七〇三
如月一日、そして新月
おはようございます。今日から二月。北京冬季オリンピックももうすぐですね。フィギュアスケートにスノーボートと楽しみいっぱい。おうち時間で応援して満喫したいですね。
さて二月朔日(火)の暦は、六曜は、「先勝」で、午前が吉。先んじることで幸を勝ち取るとされます。この日は、急ぐことがよい、とされる日。十二直は「成」で、物事が成就する日。皆さん、何か成せることがあるといいですね。新しいことを始めるのにもいい日。ただし談判、掛け合いは避けましょう。
二十八宿は「觜」で、お仕事やお稽古始めにいい日。そしてご神事に関することがすべてよしの「神吉日」です。
また午後二時四七分に、水瓶座のジャスト新月です。
お朔日に新月と何か変わり目ですね。節分・立春も近いですもんね。
今年叶えたいこと、成し遂げたいことを書き出すのもいいですね。
さて、早速、神話の物語に入ります。
恋の逃避行
第十六代、仁徳天皇さまは、妃にしたいと思いを寄せていた異母妹の女鳥王さまが、あろうことか、仲人を頼んだ、異母兄弟の速総別王さまと結ばれたこと、そして、”天皇の地位を脅かそうとしている”と知られて、激怒なさいます。
「謀叛者の速総別と、女鳥を討ち取り殺せ!」と、女鳥王さまのお屋敷へ軍勢を向かわせました。
女鳥王さまと、速総別王さまは、戦うこともできません。
命の危険を察知されて、共に逃げるしか道はありませんでした。
お屋敷を逃げ出されたお二人は、倉椅山(奈良県の桜井市の南部にある音羽山・倉梯山といわれる)へと逃げ込まれます。
この山は、とても険しい山でした。
速総別王さまは、その様子を歌に詠まれています。
梯立ての
倉椅山を
嶮しみと
岩かきかねて
我が手取らすも
梯子を立てたような
倉椅山《くらはし山》の
険しさよ
岩につかまることもできず
女鳥は
私の手につかまることしかできない
君がいれば、険しい山もへっちゃらさ!
かなり困難な道なき険しい山。
懸命に二人は手を取り合い
逃げていきます。
速総別王さまは、その心中も歌に詠まれました。
梯立ての
倉椅山は
嶮しけど
妹と登れば
嶮しくもあらず
倉椅山は、
梯子を立てたように
険しいけれど
愛する人、女鳥と登っていくことは
けっして険しいとは思わぬ!
恋の逃避行……
きっと速総別王さまはも女鳥王さまも、お互い好きになり結ばれたことを、自分に正直に生きたことを、“後悔”されていないように、綴っていて感じました。
すごくお二人が、好きになりました。
自分の心に正直に生きる自尊心がおありなんだなと感じたのですが、いかがでしょう?
あなたと共に、手を取り合っていれば、困難さえ怖くない。
後悔なんてしていない。
と、同時に、それは自分たちの命の危険が伴う選択であることも、深く理解されて、強い覚悟もお持ちだったことでしょうね。
次回へ。
#みんなでつくるアルバム
#古典がすき