
許されぬ恋ならば… 仁徳天皇二五 神話は今も生きている ことの葉綴り七〇二
睦月も終わり
おはようございます。睦月の三十一日。なんだか年明けからまだ一月? という気がするのは私だけでしょうか?
皆さんは、いかがですか? このひと月、どうお過ごしでしたか?
さて、一月三十一日(月)暦は、六曜は「仏滅」で勝負はさけてベター。十二直は「危」で、物事を危惧する日。何事も控えめがよし。二十八宿は「畢」で、西市、不動産の取得、建築工事の開始にいい。
そして、ご神事に関することが吉の「神吉日」です。
このひと月、無事に過ごせたことを神様、ご先祖様に感謝して穏やかに過ごしたいですね。
さて、早速、神話の物語に入ります。
天皇さまの想い人
第十六代、仁徳天皇さまの、恋の物語。
天皇さまは、異母妹の女鳥王さまを妃に迎えたいと、異母弟の速総別王さまに、仲人をお願いしますが、一向に音沙汰がありません。
しびれを切らした天皇さまは、自ら女鳥王さまの元を訪れて、その心が、ご自分ではなく、仲人を依頼した異母弟の速総別王さまにあることを知ってしまいます。
そのとき、すでに、女鳥王さまと速総別王さまは、結ばれていました。
傷心のまま宮中へと戻られた仁徳天皇さま。
異母弟が、私の妃を横取りした~だから、報告もなかったのか……と、ショックもあったでしょうね。
……とはいえ、ご自身も、父君の妃となる髪長比賣を“横取り”されたのですけどね~。それはこちらをご覧ください。
そのときは、父の応神天皇さまが、皇子に“お譲り”になり結婚を認められました。
大君の想い人に恋をして、命を落とされた物語もあります。
垂仁天皇の皇后沙本毘賣さまと、兄の沙本毘古さまの悲恋。
この仁徳天皇さまが、許されたことの方が“例外”なのかも。
まあ、そこは父と息子、異母兄弟と立場の違いもあるかもしれませんね。
仁徳天皇さまの場合は、どうなるでしょう?
雲雀のように自由に天を
天皇さまと入れ違いに、女鳥王さまのお屋敷に、夫となった速総別王さまがやって参りました。このころは、通い婚なのですね。
女鳥王さまは、天皇が訪れてきたことを話したでしょう。
速総別王さまも、天皇の想い人と恋に墜ち夫婦となったことは、許されぬ……そう思っていたことでしょう。だから天皇に報告もできなかったのです。
なんだか、好きで結ばれたものの、追い詰められている感じがしますね。
そして女鳥王さまは、夫に向けて、次のような歌を詠んだのです。
雲雀は
天に翔る
高行くや
速総別
鷦鷯取らさね
雲雀のように小さな鳥でさえ
天空を自由に駆け回っています。
隼の名を持つ、あなた、速総別
雲雀のように天を翔けて
あの鷦鷯(大雀命)
仁徳天皇をひとひねりに取ってしまいなさい
私達の関係が天皇にばれてしまったら
きっとお許しにはならないでしょう。
その前に……。
反逆者を討て!
この女鳥王さまの歌は、すぐに天皇さまの耳に入ります。
なんと……私を討とうとしているのか!
これは謀叛ではないか!!
傷ついた心に、怒りの炎が激しく燃え上がりました。
すぐさま反逆者の速総別と女鳥を撃ち殺すのじゃーー!
と、軍勢を女鳥王さまの屋敷へと向かわせたのです。
女鳥王さまと速総別王の運命やいかに……。
次回へ。
#みんなでつくるアルバム
#古典がすき