日々よ、意味よ、詩美を――。(詩)

疲れた白昼のすべてを
月は白銀の手で拭い

通常の歌が眠る隙に
意味よ目覚めよ すみれ色の光に

過去知れ今泣け日暮れて来る
天象野の慈悲に濡れ
旭日吼えて瞬く夢に歴史の舟が来る
天球原の記憶が結んだ褥の上で
幽か清く眠れ さあ

後跋

 後跋を書く書かないの判断はとどのつまり説明を要するか否かという点である。
 平生の判断に従うならば、この詩に跋文など添えないということになる。そのまま銀波に包まれるのを見守るのだ。しかしそれ以上に後跋を残して起きたいと思った。今日産まれた文花にはどうもそのような引力があるらしい。
 収穫文学の中で、最も分かりやすく「生存の大肯定」と「康寧に満ちた見知らぬ世界へのいざない」を示していると思う。

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