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子どもの「できた!」が増える 自己調整学習とは

先日、療育教室の学習会で「自己調整学習」について学ぶ機会がありました。わたしは発達支援について日々勉強中の母として、とても興味深い内容だったので、みなさんと共有したいと思います。今回学んだことは、すぐには結果が出ないかもしれませんが、長期的な視点で子育てを考えるヒントになりそうです。

自己調整学習とは何か

子どもが自分から学びたいと思い(やる気)、どうやって学ぶかを考え(方法),自分の学び方を振り返る(振り返り)。この3つの力を育てていく方法が自己調整学習です。わたしの子育ても大きく変わりました。以前は「早く宿題やりなさい」「またここ間違ってる!」と言うばかり。でも今は「どうやって勉強したい?」「ここが難しかったね、どうしたらできそう?」と子どもと一緒に考えるようになりました。

すると長男も少しずつ変化が見られるようになりました。例えば、宿題に取り組む前に「まず何からやろうかな」と考えたり、できなかった問題を「次はこうしてみよう」と工夫したりするようになったのです。以前は投げ出してしまうことも多かったのですが、自分なりの学習方法を見つけ出せるように少しずつなってきました。

効果的な学習環境づくり:発達段階に応じたアプローチ

子どもの発達段階によって、必要な支援は大きく異なります。特に重要なのは、静態的な環境と流動的な環境の使い分けです。つまり、毎日同じ時間に同じ場所で学習する「変化の少ない環境」と、新しい場所や状況で学ぶ「変化のある環境」を、子どもの成長に合わせて意識的に選んでいく必要があるのです。これは、子どもの発達段階によって適切な環境が大きく異なるということ。
そして大切なのは、変化の少ない環境の中で繰り返し学ぶこと。この積み重ねこそが、後々の流動的な環境での挑戦につながるのだと気づきました。

例えば、毎日同じ時間に宿題をする習慣をつけることで、子どもは「この時間は勉強する時間」と理解し、少しずつ自分から机に向かえるようになっていきます。この小さな習慣が自信になり、「次は図書館で調べ学習をしてみたい」「違う問題集にも挑戦してみたい」といった新しい学習への意欲につながっていくのです。

わたしの場合、欲張って色々な経験をさせようとしましたが、かえって子どもを混乱させてしまいました。

コミュニケーション能力の育成

言語技術の重要性

子どもが自分の気持ちを表現できるようになることは、とても重要です。わたしは日々の会話の中で、「誰が」「何を」「どうやって」「どうしたい」という4語文を意識して使うようにしています。例えば「わたしは(誰が)冷たい牛乳を(何を)コップに注いで(どうやって)飲みたい(どうしたい)」と具体的に伝えることで、相手に意図が正確に伝わります。

逆に「飲みたい」だけでは何を飲みたいのか、どうやって飲みたいのかが伝わりません。「疲れた」だけでなく「わたしは長い時間歩いて疲れたから休みたい」というように、状況と要望を明確にすることが大切です。このような具体的な表現方法を身につけることで、子どもは自分の要求や気持ちをより正確に伝えられるようになります。

心を育てるコミュニケーション

子どもとの関わりで大切なのは、まず「静かに見守る」こと。例えば、子どもがブロック遊びで躓いているとき、すぐに「こうしたら?」と声をかけてしまうと、子ども自身で考える機会を奪ってしまいます。しかし、5秒程度待つことで、子どもが「こうやってみよう」と自分で工夫を始めたり、「手伝って」と援助を求めてきたりする様子が見えてきます。この待つ時間があることで、本当に支援が必要なのか、どんな支援が適切なのかが明確になるのです。

感情を言葉にする練習

子どもの感情表現を豊かにするために、日常生活の中で様々な種類の感情を表す言葉を意識的に使うことをおすすめします。「うれしい」「たのしい」といった基本的な感情表現に加えて、「心が落ち着いた」「ほっとした」「がっかりした」「モヤモヤする」など、微妙な感情の違いを表現する言葉を使うことで、子どもは自分の気持ちをより細やかに理解し、表現できるようになっていきます。この感情表現の幅を広げることは、子どもの自己理解を深め、他者とのコミュニケーションをより円滑にする基礎となります。例えば、友達との関係でトラブルが起きた時も、自分の気持ちを適切に表現できれば、解決への糸口が見つかりやすくなります。

自己調整学習を実践してみて

自己調整学習の導入は、正直なところ簡単ではありません。最初は「理想的すぎて、現実の子育てに活かせるのかな…」と不安でした。でも、一歩一歩進めていくことが大切だと気づきました。

完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ始めていけばいいんです。うちの場合は、まず「どうやって勉強する?」と声をかけることから始めました。最初は戸惑う様子が見られましたが、それも子どもの今の状態を知るきっかけになりました。

大切なのは、子どもの発達段階に合わせて、できそうなことを選んでいくこと。わたしも日々、試行錯誤の連続です。計画通りにいかないことの方が多いくらい。それでも、子どもの小さな変化に気づけた時は、確かな手応えを感じます。

みなさんも、今日からできそうなことを1つ選んで、気軽に始めてみませんか?たとえば、子どもの言葉に5秒だけ待ってから返事をする。それだけでも、新しい発見があるかもしれません。わたしも、まだまだ模索中の身ですが、子どもと一緒に学び合いながら、楽しく成長していけたらと思っています。

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