校閲記者の仕事道具 便利アイテム編
職場で同僚のデスクをチラ見したら、なにやら見慣れないモノが。それ何?!
聞けば個人的に用意しているこだわりグッズだそうで…。
レ〇ブロック?!いいえ違います!
後輩の松浦さんが持つのは仕事道具を入れた小さな箱。
カラフルなブロックが入ってます。
仕事中に遊んでるのか?けしからん!と思うなかれ。
これ、じつは書類をまとめるクリップだそう。
ペーパーレスが進む現代でも弊社はまだまだ紙ベースの部分も多いのです。
1日に新聞に載る記事の数は、多いページで20本を超えることも。それぞれA4に印刷されます。さらに時間が経過すると差し替えが繰り返され、油断するとあっという間に机が原稿だらけに…。整理整頓は必須というわけです。
もちろん会社の備品に、よく見る銀色のゼムクリップもあります。それじゃダメなの?
ここが松浦さんのこだわりポイント。
「その日の記事のジャンルなどに応じて自分なりに色分けを決めています」
なるほど~。そうすればとっさに必要になっても素早く探すことができます。締め切り時間が迫る中、原稿を探すのに手間取っていては困りますからね。
「ちなみに、本物のブロックみたいにくっつけることもできますよ!」
ほかにもこんなクリップが松浦さんの道具箱に入っていました。
無機質になりがちなデスクの上を、自分なりに彩っているんですね。
線を引くわけじゃありません
後輩もちゃんと工夫しているんだなと感心していると、隣に先輩の中川さんが。
なにかを得意げに持っています。
なんだ、普通の定規じゃないですか。
文の横に赤線を引くときに使うってこと?だとしたらずいぶん几帳面。なんか気使います。
勘の悪い僕にあきれた中川さんが使い方を見せてくれました。
「紙の資料を見るときに使うんだよ」
これを見てピンときました!
官公庁や企業が発表した資料と記事の数字を合わせる時に便利なんです。
企業の売上高やスポーツ選手の個人成績など、数字は新聞によく出てきます。
取材をした記者が、校閲向けの参考として資料を渡してくれることがあります。しかし、様々な数値がでてくる表は、左端の年月日などの項目名と数値が離れてしまっていることがあります。特に写真のように縦横の罫線がない場合は、上下の数字と取り違えてしまうミスが起きやすいです。
中川さんのこだわりポイントは「開くと長くなるところ。資料によっては15センチじゃ端から端まで届かないような表もあるからね」
もちろん最近はネットでプレスリリースが出ていたり、公式データが公開されていたりするので、パソコンの画面でそのまま見ることも多いです。ただ、個人的には数字の照らし合わせは画面上で行うより、紙に印刷して行ったほうがミスが少ない気がします。
先輩を見習って、僕も手持ちに加えようかな。
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