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授業中の離席の要因と対応②

ことばの発達ラボの松本朋子です。
前回は授業中の離席について、感覚面から論じました。

今日は、少し別の切り口から考えてみようと思います。

そもそも授業に限らず、子どもの集団場面での活動の多くは、
場所や内容が大人主導で決められています。

ある程度の発達の幅を含む多様な集団であるにも関わらず、
一律に同じ内容の課題をさせれば、
当然活動に向かない・活動を楽しめないお子さんたちは生まれます。

多数派の行動と異なったとき、
それはお子さんの個性でもあるし、
反面でマイノリティ性の表れでもあるでしょう。

ここでは、
子どもさんがお困りであるがゆえに起こっている行動を題材とします。

前振りが長くなりましたが、
今回のテーマは回避ゆえの離席についてです。

回避目的の行動にもさまざまな表現がある


子どもが回避目的で問題行動を起こすとき、
その表現の形はさまざまです。

幼い子であれば泣く、その場から逃げるなどです。

ある程度おしゃべりが出ているお子さんなら、
関係ない話をし始める、
突然暴言を繰り出すなどが多いでしょうか。

普段は真面目なのに、急にふざけるなどの行動の背景には、
回避したい思いが隠れていることはよくあります。

小学生では、
突然イライラしてプリントを破ってしまう、
他の活動をしたいと強く訴える、
隣の子にちょっかいをかけるなどの行動がよく見られます。

こういう派手な動きでなく、
机に突っ伏して無反応というお子さんもいらっしゃいます。

ここに挙げた行為の多くは、
わがままや大人を試す行動と見なされがちです。

子ども自身も「面倒だから」「ダルいから」などと理由を説明しがちです。
ただ、これらのことばは、
子どもの意図を適切に表現できているとは言えません。

さっぱりわからないのに取り組まねばならない。
しかも、今後の見通しもさっぱり立たない。

そんな心情のとき、
モヤモヤとして今すぐ逃げ出したくなりませんか?
おそらく自分の状態を俯瞰したり説明したりすること自体が、
「めんどくさい」し「ダルい」でしょう。

伝え方がわからない場合や、
伝わらない経験を多くしているときにはなおさらです。

まずは困り感の検証から

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