めいろ

反復性うつ/フリーター/活字好き オタクだけどオタクらしさに染まり切らないまま、中途半端にアニメや漫画ゲームをかじるようになりました。

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反復性うつ/フリーター/活字好き オタクだけどオタクらしさに染まり切らないまま、中途半端にアニメや漫画ゲームをかじるようになりました。

最近の記事

「宙わたる教室」は、再生の物語だった

(当記事には一部精神疾患、自傷行為などセンシティブな話題に触れる文章があります。苦手な方はご注意ください) 「あのとき、もっと早くこうしていれば」という気持ちに何度も襲われる。そんな私にとって、この物語は「取り戻せない時間は、手を動かすことで取り戻せる」ということを感じさせてくれる物語だった。 去年も高校生部門の夏の課題図書を読み、今年はどんな本と出会えるだろうとワクワクしながらこの本を読むことを決めた。あらすじを読んで面白い予感がしたからだ。 それぞれバラバラな特性を

    • ひとりでも生きていける社会に

      先日、職場でこんなことを言われた。 「人はひとりじゃ生きていけないんだよ」と。 話の流れとして、リモートワークで会議前にちょっとした雑談をしていた。その中で、私は「1人でも案外寂しくならないんですよね」と笑って話していたのだが、そこで言われた言葉である。 この言葉に対して引っかかってしまう部分があるのは、私が精神疾患を患っていて、障がい者として生きているからだと思う。 健常者以上に障がい者として生きる、ということは、人の助けを借りなければ生きづらいことなのだ。精神的な障がい

      • 本を作るように 小説を書くように 息をしている タイピングと同じ速度で 動く心臓は あの頃よりも強くなった …と思う

        • 「備忘録」と書いて、「覚えていてね」とルビを振る

        • 「宙わたる教室」は、再生の物語だった

        • ひとりでも生きていける社会に

        • 本を作るように 小説を書くように 息をしている タイピングと同じ速度で 動く心臓は あの頃よりも強くなった …と思う

        • 「備忘録」と書いて、「覚えていてね」とルビを振る

          愛に裏切られたのにまた信じてる奴選手権

          自分は愛という概念が好きだ。 でも、家族とか、友達とか、そういうものに恵まれてきたかどうかで言うとかなり微妙なもので。それらに愛されてきていないから憧れで、というのともちょっと違う。 人と人とが優しくしあったりしているこの世界のことが好きなのかもしれない。 うつ病を患い、その前から他人への不信感や恐怖心に支配されてきた人間としては、外側の世界に出たらもっと悪い奴がうじゃうじゃいて、そいつらに攻撃されてまた自分の心が折れるくらいなら、家庭内で怯えながらも束の間の安寧を得られれ

          愛に裏切られたのにまた信じてる奴選手権

          フィリア

          私とあなたを繋ぐ透明な感情 フィリア 強い結びつきではないのかもしれない 恋人や愛する家族ほど、確かな絆ではないのかもしれない 名前のない心 ラベリング出来ない気持ち 弱く、脆く 流星よりもあっという間に消えそうな 私たちのフィリア 綴った言葉がどれだけあなたに届いているのか 私には知る由もないけど 見えない形でそこにある それがフィリアだから 点と点を密かに結んで 細く、長くあなたを見つめて、微笑んだ午後のこと

          グッバイ、ハピネス

          手放すことが楽だと気づくまでに、メチャクチャ時間がかかった。 荷物やお土産、悩み事や楽しいこと。 たくさんあればあるだけ、自分を形作るものが多いのだと思っていた。 カウンセリングの影響で家庭に居られなくなり、家を飛び出してから贅沢はせず、細々と、けれど着実に1人で生きていた。 その中で、バカみたいに人を好きになってみたり、何かと物事に首を突っ込んだり、手持ちの荷物が嘘みたいに増えた。 それで心がぶっ壊れた。元々脆い器だが、より派手に壊れた。 人の評価を気にするようになっ

          グッバイ、ハピネス

          なま

          バナナとみかんとあなたとわたし 寄り添ってくっついて、酸っぱくて甘くなる そしたらちょっと気だるくなって あーもう苦しくなっちゃった 何事もほどほどにね と あれだけ言われたのに いっぱいいっぱい飲み干した涙で 散々しょっぱくなったあとに やっぱり水が飲みたくなった こればかりでいいと思った なのにどうしてレモンとバニラ、チョコレートとポテトチップス そんな風に生きられないの 優しくあなたに寄りかかられたい それをゆっくりと受け止めたい それだけなんだよ 影響を受けたポス

          もゆる花

          私はいつもあなたの傍らに咲く 切り捨てられた望み 掬い上げる痛み あなたを信じられなかった私を許して いつでも帰ってこられるように 燃えるみたいに花開くその時 あの家族もまた、燃えているでしょうか? ガソリンを撒いて火を着ける そんな光景を夢見てる 日の傾いた暗い部屋も そうしたら明るくなるでしょうか? 私の帰る場所は、花の在りか マリーゴールドの咲くところ 虹の麓

          もゆる花

          燃えてる

          身に覚えのない炎を見ている 誰かの怒りが引火した 燃料が尽きないように、生かされていた 並べてみるとくだらない言葉たちが あの声を伴って温度を上げていく 腐った海の中 靴まみれの巣穴 借りている住処 気づけば全てが焔の棟へ 残り火が私の心の底を 弱く未だに焼く痛みが 平穏を知らせてくれない夢の外

          あの人が持ってる修羅の面 私も持ってる修羅の面 外し方が分からなくなった時に 人から本物の修羅になる あなたの防衛本能が 確かな傷となって、あなたを修羅にする そしてそれを見ている、私も 必ず修羅の血を継いでいる せめて涙を知る鬼になりたい 全てが最後に転がり落ちても 童話みたいに親切になりきれなくても 私の中の青い鬼はずっと友達で 仲間がいても一人きりの夜に 私はきっと泣いている そういう面を、持っている

          「ラブカは静かに弓を持つ」感想文

          8月になった。今年は何か夏らしいことがしたい。そう思って何か面白いことはないかと考えていた時、閃いた。 読書感想文書こう!夏休みの宿題の定番! 今ってどんな本が選定図書になってるのかな?と検索したところ、高校生部門の本が目についた。 「ラブカは静かに弓を持つ」 音楽の著作権を管理する組織に所属している主人公がとある音楽教室に潜入し、裁判に有利になる情報を得るためにもう一度チェロを習いに行くことになるが… あらすじだけでも面白そう!と意気込んで読み始めて、話に引き込ま

          「ラブカは静かに弓を持つ」感想文

          信じて

          信じてと誰かが言った またいつもと同じような笑い声、似たような会話 眩しいところへ連れて行かれたっていうのに その先に何が待ってるのか、誰にも知らされていない 深く―――――― ―――――――― 考えなくていいよ。 知ろうとしなくていいよ。 交わらなくていいよ。 もっと――――― ―――――――― 結果を出しなよ。 現実見なよ。 弁えなよ。 それでいて、「信じて」と口を揃えて言うのだ。 どっちもどっちの泥仕合 にっちもさっちも行かなくなって あっちこっちに散らばった

          隣人は窓の外

          愛すべき隣人は窓の外 やがて尾を引いた星が落ちる 全てがまっさらになった暗闇の中 音が飲み込まれ一人きり 呼吸をしているほんの数秒 周囲を見渡した目線の先に 間延びしていく時間は長く どこまでも私とあなたを引き離していく 永遠にズレていく世界の境界で いつまでも見ていた終わらない夜の淵 そこに引っかかった私 いつか全部終わると理解した パソコンを打って、話して、記録して、分析して 燃えていく人の形を見ている 何も残らないと分かっているんだろうか そんなことも考えずに必死に

          隣人は窓の外

          こんなに分厚い窓なら

          コンコン 私が窓を叩く こんなにも分厚い窓なら あなたの笑顔を隔てて見てても、きっと大丈夫ね あなたの不安を隔てて見てても、大丈夫だよね コンコン 元気ですか?ちゃんと休めていますか? コンコン 本当はねこの窓の向こうに行きたいよ コンコン ここから先は誰も幸せになれないから、行けそうにないね コンコン それでも、あなたが側にいるのが幸せだよ

          こんなに分厚い窓なら

          ほ、とおる

          心拍数109/分 どれだけ待ってもならない正常値 ほとぼりが冷めるころには夢も醒めてて 打ち破った殻の中の雛が言う あなたが親鳥ですか? あなたを信じていいですか? あなたを好きになってもいいですか? ほとほと困ったものです そこに通った熱の筋 青くなった顔に浮かぶ高揚の汗 感激しているのですか? 興奮しているのですか? 怖いのですか? パチン! 目が覚めました?

          ほ、とおる