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【0025】えむしたのこと「いつまでも終わりませんように」
枠内で納まりがつくと思っていた常盤色化に対するバッシングは、匿名掲示板で執拗に書き込みが続いた。そんなもの気にしなければいいのだけれど、話題はどうしても普段の配信に影響を及ぼした。心ない匿名コメントは日に日に幅を利かせ、自枠の匿名を消しても他枠で勝手に話題に出された。裏で謝罪の連絡を入れると、それまでコラボなどで配信を一緒に盛り上げた仲でも、あからさまに拒否反応を示してくる配信者もいて、さすがに凹まされた。
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ルームシェアをしながら、歌い手活動をしている「明日」と「えむち」。明日の部屋の一輪挿しが枯れ、花瓶の水が澱みはじめた頃、えむちはようやく今回の失踪が普段の気まぐれとはどこか違うのではないかと察する。不安は的中しており、明日の体には常盤色化と呼ばれる異変が生じはじめていた。植物の蔦を模したようなしみが皮膚に広がり、やがて全身を覆ってしまう奇病。一方、えむちはある事件をきっかけに人前で歌うことができなくなっていた。移り変わってゆく、彼女たちの季節を追う物語。
小説「えむしたのこと」
300円
・文学フリマ東京37 (星屑と人魚2023秋冬号/https://bunfree.net/event/tokyo37/) └ 「つむじ…
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