投票所早閉め経費削減よりも嘆かわしいのはメディアか読者か
無事終了した選挙ですが、ネットを賑やかしていた投票所早閉めの件。
選挙の投票時間は、原則午前7時〜午後8時。
ただし、公職選挙法では、投票所の開所時間を2時間以内の範囲で繰り上げ・繰り下げ、閉所時間は4時間までなら繰り上げられると定めています。
「こんな事、許されていいのですか!? 選挙ですよ」
など、ご立腹の方が多数いらっしゃったようですが、「今日はもう人来ないよね〜、ちょっと早いけど閉めちゃう?」という話ではありません。個人商店じゃないんだから…
事前に告知されていますし、投票所入場券や、同封されてくる投票の案内用紙にも記載されているはずです。
実際、読売新聞では10月22日に投票時間繰り上げの記事を出しているわけですから、各県ともに当然公表されています。
これは、メディア側の責任が大きいでしょう。
「投票所を早閉めする投票所も多いから、投票所入場券や同封される案内用紙でよく確認してね。法律で定められた手順踏んでいるのだから、政府や自民党のいじわるじゃないよ。」など、説明するだけでよかったのです。
それを、「4割の投票所が法定の投票終了時間(午後8時)を繰り上げる」「市町村選管の判断で終了時間を4時間まで繰り上げられる」「立会人の負担軽減になる」「経費節減になる」など、読者の怒りを煽るようなことを書きます。さらに、行楽シーズンなので(投票時間の繰り上げで)投票が難しくなる、とのご意見まで載せて、煽る煽る。
確かに、経費削減、立会人の負担軽減にはなりますが、期日前投票の定着、遅い時間帯の投票者が少なかったことも、繰り上げの理由です。
法定手続きを踏んでの繰り上げ、早閉めなのです。
だから、全国の投票所の4割が閉所時間を繰り上げることが、わかっているのです。繰り上げ率が、栃木県は100%であること、神奈川と大阪ではゼロであることもわかっているのです。
そして、メディアの記事を見て、脊髄反射のように怒り出す人たち。
演出家・劇作家である某氏のご意見など、もう何を言っているのかさえわからない。
「当日早閉めとかありえるの?」くらいの疑問は感じてもいいのではないかと思う。
煽りタイトルで釣るメディアと、記事を読まない・読んでも理解しない/できない声の大きな人たち。
そんなネット記事を読み、嘆かわしいなど反応した自分が、一番嘆かわしい。反応しないオトナになりたい。
「反応しない練習」
拾い読み含めて4〜5回は目を通していますが、未だ反応しまくっています。
リアル空海には出会いましたが、四国遍路はしないといけないのかもしれません。