部下の育成に必要なたった2つの軸。「経験軸」と「ピープル軸」
何事も「軸」を知っていれば、応用もすんなりと理解でき、身体に染み付きやすくなるものです。
ということで、今回は参考文献から「部下育成に必要な2つの軸」をご紹介します。
その他の理論や細かいテクニック、事例などは、ぜひ参考文献を。
経験軸
経験軸とは、「部下育成に大事なのは現場での経験」という考え方の事です。
こんなこと当たり前だと思うかもしれませんが、この経験を最大限に活かすことは案外難しいことなのです。
例えば簡単すぎる仕事や、新しいことが全くない仕事ばかりしていたら、なかなか成長は見込めないでしょう。
だからといって、難しすぎる課題では、経験どころではありません。結局任された仕事ができなかったり、中途半端なところで投げ出してしまう結果になったら、それは本人のメンタルに大きなダメージを与えるだけになってしまうかもしれません。
大事なことは「適切な経験」を与えることです。
適切とは、少し難しいくらいのレベルの事です。手を伸ばせば届くくらいのところにある方が、やる気もスキルも上がります。
ですので、マネジャーは仕事の難易度を予想するとともに、チームメンバーの能力を把握していなければなりません。
これは簡単そうに見えて結構難しいことですけど、部下の……そしてチームの成長のためには欠かせないことです。
ピープル軸
次にピープル軸とは、「人が成長するのは、関わりの中で」という考え方です。
業務中の成長は、職場の人との関わりによってもたらされるということです。
その中でも特に大事な3つの支援をご紹介します。
1.業務支援
2.内省支援
3.精神支援
1.業務支援
これは一番思いつくであろう支援だと思いますが、例えば新しいスキルや知識を教えたりなど、どちらかというと実践的で、こちらからの一方的なものになるものです。
2.内省支援
これは、本人に気づかせるような支援の方法です。1を行い、余裕が出てきた中で、例えば俯瞰的な視点で教えたり、客観的な助言を言ったりして、自分で気づくように促します。自分で気づけるようにならなければ、いつまでたっても「使われるだけ」ですから、大事なポイントです。
3.精神支援
例えば、励ましたり褒めたりして、精神的な安定を得られるようにします。精神支援は、自己効力感や、自尊心を高めることに使えます。これらは仕事のパフォーマンスを上げてくれますし、精神的な安定は他の支援を行いやすくする効果もあります。
フィードバック、そしてフィードバック
以上のように2つの軸、「経験軸」と「ピープル軸」を意識することで、大きく部下育成の質は変わります。
この2つの軸とともに、成長するためにはフィードバックがとても重要になります。
仕事をしてただ終わりにするのではなく、そこから何を得られるかを考えるのです。
部下の育成においてであれば、「何が」「何故」よかったor悪かったのか。そしてこれから「どうする」のか。
そういった気づきが得られる経験をさせ、そして支援していく中で、フィードバックを行うのです。
こういった組織やマネジメントの話は、決してマネジャーだけのものではなく、例えば自己成長が望める仕事選びという観点でも役に経つでしょう。
自己成長は仕事に対する幸福度を大きく左右する指標の一つでもあるので、それを感じないような職場であれば、いっそそこを離れて自分が与える側になるのもおもしろいかもしれませんね
参考文献:フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術(中原 淳)
ps
最近チームリーダーみたいなことをするようになったので、こういったマネジメント系の投稿が増えるかもしれません