絶え間なく続く生涯学習として「ライフデザイン」を提唱されている、”未来創造オフィス THE COMPASS”代表 高橋大輔さん
20年に渡る、高等学校をはじめとする教育事業での多くの経験や両親・祖母の死を通じて「命は有限である」ことを実感。命があるからこそもっと主体的に自分自身の人生を引き受けることが大事だと痛感し、健康で生き生きを一人ひとりが末永く保てるよう、予防医学を軸とした事業で創業。
それがベースとなった「おいしく食べてやせられる」グルメダイエットコーチとしても活躍され、
絶え間なく続く生涯学習として「ライフデザイン」を提唱されている、”未来創造オフィス THE COMPASS”代表であり”コーチ・コンサルタント”もされている高橋大輔さんのお話を伺いました。
プロフィール:1975年生まれ。
幼少期の時代から「教育」に助けられたからこそ、再び「学ぶ」「選ぶ」という有機的な営みを通じ、一人ひとりの人生が幸せで実りあるものにお手伝いすることに邁進中。
出身地:青森県
活動地域:東京
経歴:私立高等学校の教員、公益財団法人の勤務を経て2017年独立し「未来創造オフィス THE COMPASS」オープン
思い込みを外し、どんな状態からでも幸せを作れる選択をできる人生へ
記者 どんなきっかけで今のお仕事をされるようになったのですか?
高橋 中学生にあがったときは時には、175㎝、75㎏で、がたいが良いという感じでした。しかし、社会人として働きだして1年目で太りだしたんです。それは、人間関係に対するストレスと、教員という働き方が理由でした。
教師がやることは、授業だけでなく、保護者対応や、やんちゃな学生への対応も重要なことです。そして、夜遅くまで働き、出前を取って夜ご飯を済ますこともありました。
そんな働き方に疑問を持ちながらも、80年代や90年代のような終身雇用の働き方の形態で逃げ切れると思っていたんです。
だけど、周りをみるとそうもいかないことに気がついてしまって、「このままじゃダメだ。理想ではなく現実を見直して、会社に雇われる人生を変化させよう。」と思いました。
ダイエットはツールであり、刺激に対する反応を変化させたい。人生の方向性と生き方を案内したい。
記者 どんな心の在り方や認識の変化が今の活躍に繋がっていますか?
高橋 教員時代に、外からの”刺激”と、刺激に対する”反応”は変えられないと考えていました。
これまでどこか生徒に対して”刺激”と”反応”の間はない、と感じていました。
ですが、ある時に気がついた時があったんです。
”親が亡くなったとき、悲しい気持ちになっている自分に対して、なんで悲しんでいるんだろう。悲しい以外の選択をしてもいいんじゃないか。そうか、刺激と反応の間には選択があったんだ。これに気付いた時にようやく自分なりに意味づけができるようになりました。
例えば、”待ち合わせして遅れてきたら怒ってしまう”ということってありますよね。もちろんそれも選択ではあるのですが、そうじゃない選択を選べるようになることが大事なんだと思うようになりました。待ち合わせに遅れてくるという刺激に対して、怒るか怒らないか、またはそれ以外の感情や態度を選択できる。つまり反応を変化することが可能になります。
どんなアプローチをしようか、自分なりにものすごく考えるように意識をしています。相手にしてみたら、やむを得ない事情だったのかもしれない。はたまた、そのことに重きがないのかもしれない。もしくは、心とは裏腹に義務的に待ち合わせにきたのかもしれない。もちろんそれはあくまでも推測なので、事実はわからないです。だからこそ、相手との会話の中でそうじゃない質問をして掴むしかないので質問するよう心がけています。
実際に会話をしてみて、本当に相手にとって仕方ないことならそれならそれでいいって思っているんです。もし義務的に来ていたならば、次からは会う必要はないとさえ思います。たまたまルート営業先だから来たとかは、結局お互いに何も生まないんですよね。
今までは偏って選択をしていたけれど、実は様々な選択肢があるということに気付いた時に、自身の心の在り方がらりと変わったんです。
AIが活躍する時代に必要なニーズは共感能力
記者 AIが活躍する時代に必要とされるニーズとは?
高橋 一言でいうなれば、”共感”ですね。
これはたぶんAIとしてもできるとは思うのですが、本当の共感ではないと思っています。例えば、グーグル検索で調べれば解答はくれるけれど、共感して分かち合うことだったり、エモーション(感情)の部分は不足しているのではないかな、と。
なので、これからますます”共感すること”が必要になってくるのではないかと思います。
本来持っている人間のよさが、存分に発揮されること。そういう心の美しい時代を創りたい。
記者 どんな美しい時代を創っていきたいですか?
高橋 性善説とか性悪説とか言うけどどっちも持っているのが人間だと思います。
たった一度の人生で意味があって生まれて関係性を創っていく中で、美しさも選んでいける。そういう強さしなやかさを各自で創っていければ、互いに人生を編み上げれるんじゃないかって思うんです。
その境地に達したのも、愚痴とか言い合う関係性とかも経験しているからこそ。これダメだなって反省もありました。愚痴とか言い合う感覚だけで、人と付き合っていては何も生み出せないとすら思っています。
愚痴を言いたい気持ちもわかるけれど、帰るときに何も残っていないと感じてしまう。憂さ晴らしはできたけど、美しいものは何も残っていないことに気づいてしまったんです。
そういったものが、ヘドロのように溜まっているのが、日曜のサザエさん症候群かもしれません。そういったことには、会社員時代には気がつきませでした。
でも、独立してから気がついたのは、会社の悪口いって憂さ晴らししていても、給料はもらえるということ。
独立した今は誰からも給料をもらっていない。そう考えると会社に対しても、感謝が湧いてくるようになったんです。たとえ月曜の頭の働いてない状況だったとしても会社から給料も支払われている、これってすごいことだと思います。
これからの時代に、主体性の発揮ができる教育を!
記者 これからの時代に必要な教育とは?
高橋 選択できることというのは、自分が選択できる人物であると思えるかどうかだと思います。自分に対する主体性がないと、”自分が選んでいいんだ”という”選んでいい”がベースにないと選べないんです。
それもひとつの生き方だからいいけれど、周りの影響経済環境とかも変化していることを視野にいれないとならないと考えています。そもそも、”主権者意識”がないと選べないんです。
これは、これからもずっと変わらない”教育のテーマ”じゃないでしょうか。
”主権者意識”を教育に携わる人に持って欲しい。学習指導要領に書かれてしまったんです。これからは先行きが見えない時代だと。主体的になれる人材を作る必要性があるんです。すなわち、国が”時代が見えないこと”を認めてしまっているということです。けれども、文部科学省で言っていることが現場にくるのは20年かかると言われています。
20年前、携帯電話にインターネットが繋がったりした時代がありましたよね。
その変化もすごいけれど、これからの変化はもっとすごい!それ以上の変化があるとみています。今の教育システムではとても時代の変化には追いつけないと思います。そういう状況にあるんだと、教育に携わる人は奢ることなく素直に認めていくことが大事なのではないかと思います。
”俺の生徒なんだから”じゃなくて、誰もが卒業してからも立派に強くしなやかにたくましくなってほしいと願っています。
記者 最後に読者へのメッセージをお願いします。
高橋 変化とは喜びです。けれど、脳は変化を嫌っています。元に戻そうとする力が働くようになっているのです。そこに対して、喜びだと受け入れた人が行動できる人になっていきます。
記者 人間の根幹をつくる教育がこれからの時代に必要なことであり、一人ひとりが主体的に選択できるようになっていってほしいという強い想いを感じました。素敵なお話をありがとうございました。
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高橋大輔さんに関する情報はこちら
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未来創造オフィスTHE COMPASS https://www.compass-daisuke.com
【編集後書】
今回記者を担当させていただきました那倉です。高校教師の経験から、本人自らやりたいと思わせること、どうしたら主体的になれるのかなど、相手の気持ちや心に寄り添いながら、お仕事をされている方だと思いました。インタビューにも真剣に向き合ってくださり、「この人から学びたい。」そう思わせてくれるような素敵な方だと感じました。誠にありがとうございました。
この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36
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