不登校とゲーム、動画、昼夜逆転
親の歳にもなると、目に見える部分だけ正そうとしても物事はうまくはいかないし、かえって歪みが出て一層悪い結果になることもあると、どこかで分かっているのだと思います。
お子さんの不登校は更にそこから一日中ゲームをしたり、動画を見たり、夕方くらいに起きて来て家族と話もしない、といった生活の乱れがかなり高い確率で起こって来ますよね。そんな姿を見ていると多くの親御さんは悲しくなって、学校は仕方ないからせめて生活は整えてくれよ、勉強はしてくれよ。そう思うのではないでしょうか?私もずっとそう思っていましたし、実際スマホを取り上げた時期もありました。
ただ、これはたぶん無理です。昼夜逆転は学校の時間帯は憂鬱で、親に「行け」と言われない夜に活動する、ということもあるかもしれませんが、このような心理状態の時は自律神経系が乱れ朝起きられなくなるようです。うつ病と似たところがあるのかもしれません。そしてゲームや動画が楽しいという部分もありますが、何より学校へ行けない情けなさ、寂しい・悲しい気持ちを「あまり考えなくても良いから」子供は動画やゲームに走るのです。
アル中の患者さんに断酒させたところ、自殺してしまったという話を聞いたことがあります。本当の話かどうか分かりませんが、あり得るのではないかと思いました。孤独や不安、焦りを解決し、自分に自信が持てるように。そうしたプロセスを踏まず安易に結果だけ出そう、解決しようとすることは、私にはどうしても良いことには思えないのです。
昭和の頃は不登校がこんなに大きな問題ではなかったことを挙げ、これをデジタルコンテンツに原因があると考える人が一部にはいます。確かに私も手放しに良いとは思っていません。ただ、一番きつい時期に逃げ場を取り上げる必要があるのかということです。
この話をすると長くなるのでここでは論じませんが、ひとつ言えることは娘も、不登校を克服したほかの多くのお子さんも回復した後はゲームや動画を楽しむ一方で学校へ行き友達と遊び勉強も出来ているということです。まぁ、娘の場合、勉強は今のところまだ進学出来る最低限くらいではありますが。
デジタルコンテンツについては、以前こんな記事を書きました。割と皆さんに読んで頂いた記事です。自分で言うにも何ですが興味深い内容だと思いますので、お時間が許す方は、是非覗いてみて下さい。
不登校で私が学んだこと、親御さんが学ばなければいけないことのひとつは、子供を自分の思い通りにしようとしてはいけないということだと思います。それは子供を信用せず、子供を否定しているという側面を持ちます。だから一時的にはうまくいっても、長い目で見ると良くないことかもしれません。もちろん、お子さんのためを思っているのは分かりますが…。
最後に、今日も娘の不登校について書いたマガジンのリンクを貼らせて頂けます。私は自分自身が不登校を経験したわけではなく、不登校の子供の「親」を経験しただけなので、どうしても親目線のお話になることはお許し下さい。
それでは、また。
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