ちょっと嫌やな…

こんにちはこんにちは

今日はコロナ禍よりも少し前に出逢った
ある少女とのお話し

入院中の(特に長期入院)子ども達の中には
「自分が入院している為に大切な家族に迷惑をかけている。そんな自分は悪くてダメな子どもなんだ」
と、思い込み固く小さな心の殻に
大切な大切な夢や希望や欲しいオモチャをギュッと押し込んで蓋をして
懸命に【良い子】でいようとしている子ども達もいる

「そんな事ないよ」
「あなたはココにいるだけで素晴らしくって大切な大切な存在なんだよ」

言葉にするのは簡単だけど
この当たり前の事を彼ら彼女らに伝えるには
関わる人たちが地道に寄り添い続け、常に情報共有をし、寄り添い続ける

この繰り返し

その中で
彼ら彼女らが周囲の大人をニックネームで呼んでくれた時

それは、彼ら彼女らが
ほんの少し殻の割ってみよっかな?
って歩み寄り初めてくれた時♪

たけどやっばり
大好きなお父さんやお母さんには心配をかけたくない

だけど殻を割らなきゃって
小さな心と体と頭が葛藤してる。

だから、こんな風にパスを投げてくれる

「あんな~、お父さん(お母さん)には言わんとってな~…」
「こんなこと言ったって、お母さん(お父さん)にはナイショにしとってな~…」
「看護師さんには言うたらアカンで〜」
って

そう

ちょっとした些細な…
でも、とても大切な秘密の共有

それは小さな心と体と頭が
めちゃくちゃ頑張って出してくれたサインのひとつ

コロナ禍の始まる少し前

ある年の秋に救急車で病院に運ばれ
途中、心肺停止を何度か繰り返したけれど懸命に命の火を燃やし続け.
翌年の2月に意識を取り戻した、とある女の子

その年の春には病院の中で小学2年生になりました

その日はそんな彼女にとって
病院の中で2回目のカットの日

抵抗力の落ちている彼女の病室に入るには
マスクはもちろんガウン(エプロン)とグローブとヘアキャップを着用しなければならない

彼女はそんな状況でのカット中
散髪屋さんに、こんな質問をしてきました

「あんな~うっしぃ、お母さんにはナイショなんやけどな…
あっ!お父さんにも言うたらアカンで!約束な!

あんな、何でみんなウチのお部屋に入ってくる時はエプロンと手袋(グローブ)とマスクして、その帽子かぶってるん?
ウチは何もつけんでええの?
うっしぃもしてるやん?

あんな…
他はええねんけどな、手袋して触られるは、何かちょっと嫌やな…」

さて、こんな時
皆さんは彼女のこの素直な質問に
どのように答えますか?

きっと完璧な答えなんて無い

だけど、いま彼女の心の中にある大切な大切な、そして素直な彼女の気持ち

ちょっと嫌やな…って気持ち

この一言の裏に隠れた本当の本当の想いって
どんななんだろう?

この様な意思表示があるって事
記憶の片隅にソッと置いておいて頂ければと思う散髪屋さんなのでした

おしまい

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