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ケの日のハレにとっておきの甘いスパイスをー小杉湯クラフトコーラフェスト

湯上りの火照った喉にグイっと流し込むクラフトコーラの味は、想像以上にスパイシーでクセになる。甘くてスパイシーな「クラフトコーラ」がわたしたちのゴールデンウィークの記憶をいろどった。

2021年4月30日(金)〜5月5日(水・祝)のゴールデンウィーク期間、小杉湯では全国各地で生産されているクラフトコーラを集めたイベント「小杉湯クラフトコーラフェスト」を開催しました。小杉湯のある東京は緊急事態宣言中ということもあり、制約もありましたが無事に6日間のイベントが終了。こんなときだからこその気付きと共にイベントの様子をお伝えします。


クラフトコーラフェスト開催にあたっての想い

この企画の話が上がってきた時はまだG.W.中に緊急事態宣言が出ることが決まる前。緊急事態宣言中でも「小杉湯クラフトコーラフェスト」として開催できた背景にはいろんな偶然が重なりました。

最大のポイントはクラフトコーラが「ノンアルコール飲料」だったこと。今回の緊急事態宣言では昼も夜もお酒の提供が停止になるなど、なかなかハードな状況。これがもしアルコールだったら、イベント自体開催NGになっていたところでした。ノンアルコールでも十分に爽快感を味わえるという特徴からも、クラフトコーラの可能性を改めて実感。

そして、安全に配慮しながら、運営方法や試飲販売時間や規模を見直しつつ、小杉湯として大切にしている「ケの日のハレ」の一環として、ステイホームをせざるを得ないGWだからこそ、小杉湯のお客さんには日常の延長線上でクラフトコーラを体験して欲しい、そんな想いで今回のフェストの開催を決定しました。

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(イベントビジュアルデザイン:松田 大成

なんと言っても目玉は日替わりのクラフトコーラの湯!コーラの製造過程で出る残渣(出しガラ)入りのお風呂に浸かると、まるで自分がクラフトコーラの中にいるような気分になれると大好評。全身でクラフトコーラを感じ、うっかりコーラを飲んでいる気分に、そして湯上りにグイっとコーラを飲みたくなる、そんな魅惑のコーラ風呂です。

IMG_5555 浴室の

待合室では、無言でみているだけでもわくわくするクラフトコーラ6銘柄大集合のシロップの展示販売や珍しいコーラ特集号の雑誌LOCKETも販売。※待合室のシロップ販売は5月中引き続き開催中!

IMG_5720 展示スペース
IMG_5895_シロップ
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風通しの良い玄関横ではクラフトコーラの湯ですっかりコーラ気分の湯上りにグイっと大好評だったクラフトコーラの試飲販売を実施。

IMG_5680 販売

日替わりクラフトコーラの試飲販売では、実際に試飲していただいた方から温かいコメントもたくさんいただき、クラフトコーラをきっかけに小杉湯に来てくれているお客さんのストーリーにも少しだけ触れることができました。

銘柄の生産地や生産者さんのストーリーに共感してくださったみなさん

試飲したら美味しかったのでシロップを抱えて帰ります!と大きな瓶を買って帰ってくれたみなさん

内側からクラフトコーラに染まりたいのでお風呂の前に飲みます!と真っ先に試飲してくれたお姉さん

普通のコーラは苦手だけど、これは美味しい!とゴクリと飲んでくれたお兄さん

コーラを飲みながら「バスと電車を乗り継いで毎回きてるのよ」と小杉湯との素敵なエピソードを教えてくれたご婦人

小杉湯がいつもこうやって新しいものを発信してくれて毎回楽しいと仰っていただいたおじさま

他にもたくさん!「クラフトコーラって美味しいんですね!」「はじめて知りました!おもしろい!」という声をたくさんいただき、本当にお届けできてよかったなぁとわたしたちも心がじんわり温まりました。

IMG_5884 販売2

全国の豊かで個性的なクラフトコーララインナップ一覧

さて、今回全国から6銘柄が集まったクラフトコーラフェストですが、この6銘柄はクラフトコーラ行商/マイスターの鯉淵さん(@craftcola_hour)が今回のイベントのために選んだ銘柄でした。銘柄選定の背景にもこだわりがぎっしりなのです。

今回の6銘柄の選定基準はこちらの鯉淵さんの素敵なnoteからぜひ。

ラインナップを簡単にご紹介。

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1日目(4月30日):伊良コーラ@iyoshicola
クラフトコーラ界を牽引する、2大巨頭のうちのひとつ。漢方のルーツを至るところに反映させた、由緒正しき銘柄です。スッキリとしてのど越しも抜群。ちょうど4月29日に渋谷のキャットストリートに新しいお店もオープンし、これからもクラフトコーラの世界を牽引してくれるような存在です。

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2日目(5月1日):ともコーラ@craft_tomocola
こちらも小杉湯ではおなじみ、2大巨頭のうちのもうひとつであるともコーラ。クラフトコーラの伝播者として大活躍。スパイスやハーブの面白さを伝えるべく、贅沢に15種類以上の素材を使って調香しています。ご当地クラフトコーラや特性レシピなどにも取り組む、クラフトコーラ界の活性化には欠かせない存在です。

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3日目(5月2日):熊本クラフトコーラ@Hana_uta33
ともコーラさんとのコラボで生まれた、完全無添加のクラフトコーラです。熊本の柑橘農家ハナウタカジツさんがつくるコーラはフルーティでスパイシーな味わい。熊本でつくられた黒糖も入っていて甘みにもコクがあります。ミルク割もおすすめ◎

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4日目(5月3日):高知クラフトコーラ”sawachina”@sawachina_kochi
「サワチみたいに自由なコーラ」、その名の通り高知の「皿鉢(さわち)」のような豪快な素材使いはまさに高知のカルチャーテラー。パッケージの華やかさとは裏腹、味はさっぱりスパイシーでスッキリした味わい。クラフトコーラを通じて高知の豊かな食文化と食材のストーリーを伝えています。

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5日目(5月4日):TOBA TOBA COLA@tobatobacola
鹿児島県喜界島から素敵なご夫婦が製造・お届け。きび粗糖、フードロスの在来種島みかん、14種のスパイスを調合した無添加・無着色のクラフトコーラシロップです。「TOBA TOBA」の名の通り、ウキウキするようなスパイシーコーラ。フードロスや島の魅力を伝えるために活躍する姿はまさに島仕込みの救世主。

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6日目(5月5日):出雲SPICE LAB.クラフトコーラ(@IZUMO_SPICELAB
出雲からやってきた地元メイド、自然由来のコーラ。耕作放棄地を再耕作して自分たちでスパイスを栽培。スパイスを通して、耕す人も、創る人も、手に取る人も、関わるみんながちょっとわくわくしちゃう、そんな世界を創り出そうと小さな挑戦を続けています。甜菜糖の爽やかな甘みをピリッとこだわりのスパイスが締めてくれるバランスの良いコーラです。

わたしも今回のイベントではじめて知った銘柄も多くてわくわく、こうやって並べて見ているだけで楽しくなってきます。

もったいない風呂とクラフトコーラ

小杉湯ではこれまでも日常的に生産者さんと一緒に”もったいない風呂”の取り組みを行っており、これまでもお風呂を通じて遠くの生産者さんとの繋がりをつくったり、ストーリーのある特別なお風呂を届けてきました。

そんな取り組みの拡張版が今回のクラフトコーラフェストです。

今回、各銘柄さんから届いたクラフトコーラの湯に入れるための残渣の開封作業も運営チームで行ったのですが、一言で「クラフトコーラ」と言っても、銘柄によって製造過程で出てくる残渣の状態や見た目もさまざま!各銘柄が違う作り方でつくられている様子がわかり、てとても面白かったです。

残渣の香りもそれぞれ違う特徴があり、袋を開けるたびに甘くてスパイシーな中毒性のある香りに、一同酔いしれたのでした。

IMG_5416 作業写真

こちら↓は鹿児島の喜界島からはるばるやってきたTOBA TOBA COLAの残渣。カレーみたいな見た目通り、香りも超スパイシー。

IMG_5924 とばとば

こちらは出雲SPICE LAB.のもの。しっかりとしたシナモンの形や柑橘の形が残っていて全然様子が違います。こちらはあまーい香りが印象的。

IMG_5923 出雲残渣

オンラインだからこそ実現できた、全国の生産者さんを繋ぐトークセッション

せっかくこれだけ個性豊かなクラフトコーラが一同に会する機会、全国にいらっしゃる生産者さん本人達からそれぞれのクラフトコーラの瓶に詰めている想いやこだわりについて直接話を聞いてみたい!

そんな想いから、急遽クラフトコーラフェストに参加いただく6銘柄中、今回小杉湯では初登場となる4銘柄の作り手さんにお声がけし、オンラインで全国をつないでのトークイベントを開催しました。(開催の1週間前に案が出てすぐ形になったスピード感には感動です。出演者のみなさま、関係者のみなさま、お疲れ様でした。)

▼イベントの様子はアーカイブで配信中。ぜひご視聴ください▼

はじめに小杉湯3代目平松佑介さんより、今回のイベントの趣旨や小杉湯が大切にしている想い、現在の取り組んでいるもったいない風呂について説明を。

スライドゆうすけさん

そして、そもそもクラフトコーラってなんなの?という解説をクラフトコーラ行商/マイスターの鯉淵さんより説明。まるで「マツコの知らない世界」のようなお話が炸裂し、終始コメントも大盛況!

スライド鯉淵さん

そして生産者さんたちからも、自己紹介やクラフトコーラへのこだわりについてたくさんお話いただきました。

「熊本クラフトコーラ」ハナウタカジツの片山さんは1歳になるお子さんと一緒に参加いただき終始ほっこり。ハナウタカジツさんは小杉湯でもおなじみの柑橘農家さん。くだもの農家さんはくだものを収穫する季節が1年の中でも限られているため、収穫できない期間中でもお客さんに思い出してもらえるようにとクラフトコーラをお届けすることになったそう。余談ですが以前小杉湯となりで提供していた熊本クラフトコーラを牛乳で割った「ミルコ」は本当に美味しいので、わたしはシロップを買って家で飲んでいます。

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「高知クラフトコーラ”Sawachina”」の小野さん。小野さん自身が初めてともコーラを飲んだときに、こんなコーラがあるのか!と衝撃をうけたことがきっかけで生まれた四国初の高知の銘柄。キーワードは高知の郷土料理「皿鉢(さわち)」。高知生まれのクリエイターさんや生産者さんと一緒に作り、コーラを介して生産者さんと消費者をつなぐ素敵なプロダクトです。高知の魅力がこのコーラの瓶につまっていて、みんなに薦めたくなりました。

こちら↓ が噂の皿鉢(さわち)山の幸と海の幸がてんこもりです。

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「TOBA TOBA COLA」NAOさんとキースさん。鹿児島県喜界島でレシピ考案から流通まで全て夫婦でやられています。そんな二人の出会いはシンガポール。アジアでスパイスに魅了されたお二人は結婚を機に妻のNAOさんの故郷である喜界島に戻った際に、島みかんの厳しい現状などを知ったことがきっかけでクラフトコーラ作りを開始。二人で試行錯誤しながら調合をし、ようやく完成したのがTOBA TOBA COLAです。1軒1軒農家さんを訪ねてみかんを収穫し、島のストーリーも大切にしながら作られているコーラです。

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「出雲SPICE LAB .」山田さん。島根県の雲南市で育てたスパイスを活用しながらいろんな商品をお届けしています。子供が飲める子供コーラや、身体にいいエナジードリンクのクラフトエナジーなども。ひね生姜をコーラに活用したり、スパイスカレーにあうジャスミンライスにチャレンジしたり、農業を基盤にして楽しみながらスパイスを作っている様子が伝わってきました。農業への熱い想いや紆余曲折のエピソードもたくさんお話いただきました!

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他にも質問コーナーで各銘柄さんのパッケージの裏話が聞けたり、これからの展望などもお聞きできました。本当にここでは伝えきれないぐらいたくさんのエピソードが詰まっているので、アーカイブ動画をぜひご覧ください。

IMG_5593 イベント集合

こうして実際に生産者さんの顔を見ながら直接お話を聞くことで「この小さい瓶には生産者さんが大切に育てた原材料が詰まってるんだな」とより愛着がわき、もっと各銘柄のことが好きになりました。

生産者のみなさんのわくわくするような夢やこれからのクラフトコーラの未来に期待が高まったオンライントークイベント、ありがとうございました!

語り部の愛が周りを温め、生産者さんへの想いを強くする

今回のイベントで欠かせない存在、それがクラフトコーラ行商/マイスターの鯉淵正行さん(@craftcola_hour)でした。プロデューサーとして今回の企画に参加していただいた鯉淵さん。はじめてオンラインで鯉淵さんにお会いした時から、鯉淵さんのクラフトコーラへの偏愛に触れ、いい意味で「変態」っぷりが見え隠れするその様子にそこはかとないクラフトコーラへの愛を感じました。

ひとつひとつの言葉のチョイスや情報の伝え方など、生産者さんの想いやクラフトコーラの世界観を壊さないように、細部まで語り部の熱い想いがこもっていて、わたしたちもその熱に後押しされ、いつの間にかすっかりクラフトコーラへの愛情が増していました。

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生産者さんのことを第一に想い、そして誰よりもクラフトコーラを愛している鯉淵さんだからこそ完成した企画。クラフトコーラの伝道師としてきっと、これからもっとご活躍が期待されるのでぜひ注目してみてください。

こちらは今回現地でも配布したクラフトコーラリーフレット。手に取ったお客さんもおもしろいとみなさん大好評でした。鯉淵さん監修の日本全国クラフトコーラマップ。まだまだここから拡張していく予定だそうです。

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クラフトコーラ行商/マイスターの日常にどうやってクラフトコーラが佇んでいるかをご紹介する、まさに偏愛生活の様子を覗き見できる資料も。

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(リーフレットデザイン:むらたかなこ

こんな時だからこそ、わたしたちにできることを

今、小杉湯にはこんなメッセージが掲示されています。

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今回のクラフトコーラフェストも、なかなか大勢の人と直接会話して声で伝えることはできなくても、こうやってオンラインイベントや展示やSNSで全国の生産者さんたちの想いを繋ぎ、小杉湯という銭湯の日常を通じてお客さんに届けること。これが今わたしたちにできることだと思います。

そして距離を超えて生産者さんや素敵なプロダクトと繋がれる今だからこそ、わたしたちはもっとリアルにみなさんに会いたくなりました。いつかこのクラフトコーラが作られている土地に行って作り手のみなさんにお会いしてみたい、そんなあたらしい夢が増えていきました。

IMG_5889 つぐちゃん

制限のある今が、未来の約束をつくっていく。
そして、制限のある今だからこそ、日常の大切さや日常の中でのちいさなハレの大切さをあらためておもい知ることができる。

銭湯だってそうだと思うんです。
いまは脱衣所やお風呂で大声で笑ったり、大勢で集まったり、ゆっくり立ち話もできないけど、声は出せなくたって、いつものように銭湯に通い、いつもと同じ景色や顔が見えるだけでとっても安心する。

湯船につかりふと見渡せば、壁のPOPが語りかけてくれる。その言葉に勇気付けられ、時にハッとさせられる。湯の流れる音や桶やカランの音を耳で感じ、湯の香りに癒され、コポコポと湧く水面を眺める。マスクをはずし裸でじっくりと五感を研ぎ澄ましながら湯船に浸かる時間は、なんだかいつもより贅沢な時間に感じるのです。

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気軽に出歩けない今だけれど、近所の小杉湯に行けばそこには物理的な距離を超えて日常の延長線上で全国の素敵なモノや生産者さんのストーリーに触れ、ケの日のハレに出会うことができる。

そこに声はなくとも、なんだかあたたかい気持ちになる。
この気持ちは制限される前と変わらない想いです。

いつだって、小杉湯の今が大好きだ。

これからも大好きな人たちの想いを紡ぎ、ケの日のハレを届ける存在であってほしい、そう願っています。

IMG_5771 スタッフ集合

♨ ♨ 予告 ♨ ♨

というわけで、クラフトコーラフェスト大好評につき、5月の最終週にも1週間アンコールクラフトコーラの湯やっちゃいます!!!!!!!

5月24日(月)~30日(日)までの一週間、クラフトコーラ6銘柄が再び小杉湯に登場。GWに逃した方もぜひこの機会に体験していただけると嬉しいです。上記期間外でもクラフトコーラのシロップなど待合室での展示販売は5月中は常設で販売しております。みなさんのお気に入りのシロップを見つけて、お家でもクラフトコーラをお楽しみください。

お風呂マップ

(記事作成:銭湯ぐらしイベント部 おおつか)

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