極北の地。冬の寒さより厳しい市民病院へ一人の医師が。大きく揺れ動く病院の救世主となれるのか…。
自分以外誰も乗っていない列車は、終点の駅へ。荷物は小さな鞄とスキー板。
大学の医局から極北の市民病院へ。忘れられない苦い思い出と共に…。
外科医キャリアは8年。そんなバリバリ現役医師今中が財政は愚か、医師、看護師、事務員も怠惰になってしまって、その小さな中で権力、縄張り争いをしてダメになっている市民病院へ…。
そして、いつしか院長からつけられた渾名は…。
ハリキリボーイ!
就任早々に外科部長!…そして、様々に押し付けられる充て職…。その実態は、外科部長なのに非常勤医師契約でボーナスなし、時給幾らの薄給医師…。
飄々といい加減な研修内科医、西と東で権力争いに明け暮れる師長、自分勝手な院長と対立するそれまた自分勝手な事務長、医療費未払いの患者達…。
そんな衰退していく病気の中でも地域の人々に愛され、信頼されている産婦人科部長 三枝医師、そして、優秀な看護師 並木。
そのたった一つの希望さえも、渦巻く政治の力、官僚達の権力闘争、そして第四勢力のマスコミの餌食になり巻き込まれていく…。
今中外科部長の客観的な思考、そしてその奥底に芽生える熱い思いに感動、そして当たり前にあると感じている医療が崩壊してしまうのでは無いかという怖さも感じました。
極北クレーマー 海堂尊
もしからしたらフィクションでは無い世界。
地域の医療を守るために。
市民の生活を守るために。
僕たちが出来ることは何なのか?当たり前の生活が、当たり前でなくなることって…。
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