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「教養としての日本仏教」という話

まえがき:仏教ってなんだろう?

 日本人は死と向き合うとき、たとえば、葬式やお墓参りなどでは、仏教的な儀礼が多いと思いますが、改めて、日本人にとっての仏教とは何なのか考えてみるとわからないことが多くあるように感じます。

 そこで本稿では、仏教について基本となること、仏教の歴史、日本仏教の13宗派、仏教の現代的役割について改めて考えていこうと思います。(仏教の教えを)信じる信じないは別として、「そういう価値観もあるんだ」ということを知っておくことは必要だと思いますので、最低限、教養として必要な日本仏教について書いていこうと思います。


第1章:仏教の歴史

 今から2500年ほど前、インド太平原北部の盆地にシャーキャ(釈迦)と呼ばれる人々の国がありました。その国の王子ゴータマ・シッダールタ(ガウタマ・シッダールタ、ブッダ、お釈迦様など多くの呼び方があります)は、父シュッドーダナ、母マーヤーのもとに生まれます。ただ、残念なことに、母は異常分娩でシッダールタを産んだことで、1週間ほどで亡くなってしまいます。

 その後、王子は何不自由なく成長してゆくことになるのですが、あることをきっかけに「人はなぜ苦しむのだろうか」という悩みを抱えるようになります。そのきっかけについて、仏教研究者の平野純の著書『怖い仏教』を参照しておきましょう。

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