頑張るペーパードライバー
夏の早朝、車の運転を練習している。東京に住んでいた時は電車移動が中心で車が全く必要なかったが、静岡は車社会。猛暑で外を歩くのも大変で、車の必要性を痛感する日々だ。
昨年の夏、自動車教習所のペーパードライバー講習に行ってみた。久しぶりの運転は不安でいっぱい。約1時間の講習が終わると疲れてぐったりとしてしまう。先生は優しかったが、学生がたくさん来る繁忙期になると講習の予約が取りづらく足が遠のいてしまった。
資格取得の勉強、転職活動などと同様、ペーパードライバーの練習って孤独だなと思う。上達している手応えがなく、「私は運転できるのだろうか」という不安にさいなまれる。周りに仲間もいないので、とりあえず運転に関するYouTubeの動画を見てみる。
そんな時たまたま手に取った本がイラストレーター、平野恵理子さんのエッセイ「六十一歳、免許をとって山暮らし」。山での暮らしで車が必要になった著者が還暦目前で免許を取得し、運転するようになるエピソードが書かれている。自分と同じように悪戦苦闘した人が「運転は楽しい」とさらっと言ってくれるのが何とも心強い。
何気なく観た映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」も面白かった。夫(柄本佑さん)の不倫に気付いた漫画家、佐和子(黒木華さん)が教習所の教官(金子大地さん)に淡い恋心を抱き、それを漫画に描くようになる。運転を恐れる佐和子に教官が「運転って楽しいんですよ」と優しく語りかける場面が印象的だ。
普段の生活でも気付くと運転、教習所、ペーパードライバーなどの単語に敏感になっている。運転に慣れるには、たくさん乗って経験を積むしかないのだろう。この記事を読んだ「実は運転練習中」という方に少しでも励みにしてもらえたらうれしい。
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