紺野 なつ

短歌の感想など

紺野 なつ

短歌の感想など

最近の記事

だれかを好きになるということ-小川黎さんの『Rebirth』を読んで-

ちーばりさんこと小川黎さんの第二作目となる歌集兼写真集『Rebirth』を読んだので、感想を残しておこうと思います。 そもそも私はちーばりさん(歌集のお名前としては小川さんと呼ぶべきなのですが馴染みのある方でお呼びします)のつくる短歌がとても好きです。 なかなかご本人に気持ちを伝える機会がないのでこの場を借りてはっきりと言わせていただく。私はちーばりさんの短歌がとても好きです。 恋愛というテーマはいつも多くの人に詠まれており、私にとってもいちばん詠みたい、詠まずにはいられ

    • 『オリオンのかみ 第1回 酒』を読んで

      たいへん気になる短歌ユニット『Orion』によるネプリ「オリオンのかみ」の第1弾を読んだのでその感想を書きます。 『Orion』は、toron*さん・夏山栞さん・満島せしんさんによる新生短歌ユニットです。 まだ始動したばかりとのことですが、『交換日記』につづき、今回のネプリなど既に気になるコンテンツが続々と……。「ゆるっとした短歌ユニット」を自称しているものの、その活動はかなり積極的と見ました。これからたのしみー!では、『オリオンのかみ』について触れていきます。 第1回は

      • 『たんたん拍子』で歌会を知る

        6人の歌人による歌会風アンソロジー『たんたん拍子』を読んだので、その面白さについて自分なりにまとめてみます。 『たんたん拍子』は、冒頭の説明書きによれば ウェブサイト「うたの日」で出会ったメンバーによる有志のサークル です。たしかにそのメンバーは、代表の若枝あらうさんをはじめ「見たことある!」というひとばかりです(短歌歴の浅いわたしでも目を見張る面子!)。豪華だ。 そんなたんたん拍子のみなさんが先日発行されたのが、『歌会風アンソロジー たんたん拍子vol.1』です。

        • 『湘南が遠くなっていく』を読んだ

          小俵鱚太さんと榎本ユミさん(#きすたとエノモ)による連作冊子『湘南が遠くなっていく Summer Nude』を読みました。 手元に届いたのはもう随分と前で、今更ではあるのですが……。 『湘南が遠くなっていく』に焦点を当てて感想を書かせていただきます。 舞台は鎌倉、紫陽花の美しい季節に出逢うひとりの男とひとりの女。展開していく物語は、短歌でありながらも、ひとつの映画を観ているような気持ちにさせられました。 というのも、その描写がとても丁寧だから。鎌倉という舞台はもちろん、登場

        だれかを好きになるということ-小川黎さんの『Rebirth』を読んで-