『たんたん拍子』で歌会を知る

6人の歌人による歌会風アンソロジー『たんたん拍子』を読んだので、その面白さについて自分なりにまとめてみます。

『たんたん拍子』は、冒頭の説明書きによれば

ウェブサイト「うたの日」で出会ったメンバーによる有志のサークル

です。たしかにそのメンバーは、代表の若枝あらうさんをはじめ「見たことある!」というひとばかりです(短歌歴の浅いわたしでも目を見張る面子!)。豪華だ。

そんなたんたん拍子のみなさんが先日発行されたのが、『歌会風アンソロジー たんたん拍子vol.1』です。
いわゆる「歌集」ではなく、「歌会風アンソロジー」。とある題で各自が詠んだ短歌の推敲を、まるで歌会のように文字に起こして公開しようというものです。
他にも一首選など面白いコンテンツもあるのですが、メインであるこの「擬似歌会」に着目していきます。

まず第一に、わたしは歌会というものに参加したことがありません。
己の力量による不安や、なんとなく感じる敷居の高さなど、その他様々な理由により避けています。

なのでこの「歌会風アンソロジー」により歌会というものの実態に近い姿をはじめて捉えることができました(曖昧な表現に留めるのは、実際に参加したことがないからです)。

これがもう、面白い。
「ふむふむ」とか声に出してしまう。短歌というものがどのように受け取られるのか、それは人によって全く違うのだと改めて気が付きます。
そして同時に、自身の読みの甘さ(浅さ)を自覚しました。

実際に冊子の中では、議論の末に推敲された短歌の完成形も掲載されています。推敲の経過を見ることができるので、勉強になる、というか「なるほど!」の連続をあじわえる。

文字数があるうえ、熱量もまた凄まじいので、なんだか本当に議論に参加しているような気持ちにもなってくる(ので読んだあとは少しばかり疲れました)。

歌会になかなか参加できない身としてはとても楽しく、ありがたいものでした。次号は未定とのことですが、勝手に楽しみにしておきたいです。

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