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「いま一度、彼女の中に灼熱を」著・草凪優 読書感想文

牛尾(男性)は50歳を前にして脱サラをし、山小屋で自由気ままな生活をしていた。

50代後半に差し掛かった頃、牛尾は元同僚から彼が現在社長を務めている会社の社史編纂室で働かないかと誘いを受ける。

社史編纂室とは名ばかりで、そこはリストラ対象になった社員が送られる場所。
牛尾の仕事はその対象者を受け入れ先へ送り届けることだった。

牛尾本人はあっさり無欲。エピソードの2話目までは結構都合の良い場面が多く感じられた。それもあって読むのをやめようかなあと思ったあたりで、牛尾の真っ直ぐな人柄を表すような展開があり、思い止まって最後まで読んだ。

草凪優さんの作品を読むのはこれで2度目。官能小説だが、性描写よりも主人公の実直さが印象に残る綴られ方に今回も唸る羽目に。ちょっぴりトンチキなのもご愛嬌。

ただ、あれだな。妻や本命になる相手にはやはり聖女であってほしいもんなんかなあ。

それ以外の女性も誰かの大切なお嬢さんであると思うんだけど。大切に扱ってもらいたい。

終わり方も下ネタでありながら、結局実直。
読み手が安心できる終わり方にうっかりほのぼの。

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