会わない理由

この間、ある人と久方ぶりに再会した。
疎遠になった理由をすっかり忘れていたのだが会って1分もたたない間に思い出せた。
もの凄く真面目な人だから一緒にいると息苦しくなるのだ。
その人の真面目さは、そうじゃない相手（私）を圧倒する。
マイペースに脱線人生を送る私にはキツイものがあった。

その人は何故か私と同年代かつジャンルの違う有名人を引き合いに出して「まだまだよ」と叱咤激励してきた。
あまりにトンチンカン。
でも、全く迷いも悪気もない。
そういえば、自分の人生は間違っていないとか昔言っていたっけ。
私は、自分が1番正しいと思っている人がとても苦手だ。
だから、会わなくなったのだなと合点がいった。

だいぶ前にテレビで黒柳徹子さんがあるタレントさんに「どうしたら徹子さんのように生きられるのですか」と尋ねられていた。
「嫌な人とは会わないことにしているわ」
徹子さんは答えた。
そうか、その選択肢があったか。
私もその流儀を取り入れることにした。
交友関係は狭くなったけど、ストレスは減り過ごしやすくなった。

私はけっして自分とは違う考えや人生を否定している訳ではない。
どちらかというと、認めたいと思う方だ。
「そう、そういう考えもあるんやね」と。
しかし、それはお互いが認めあえた場合に成立するというもの。
それができない相手とは自ずと距離を置いてしまうことになる。
長い時を経て再会したのも何かの縁。
でも、また疎遠になりそうだ。