『イノチのシゴト』記念すべき第1回公開と九州ロケBTSあれこれ。
先月末についにショートドキュメンタリーシリーズ『イノチのシゴト』の第1回を公開することができました!構想から約5年!色々課題は残りましたがようやく第一歩を踏み出すことができました!
今年に入ってからクラウドファンディングでたくさんの方々に応援いただき実現できたこの第一歩の役割は本当に大きなものだと感じています!応援いただいてます皆さん本当にありがとうございます!
先月上旬、台風シーズンが始まるであろう九州に一か八かの1週間のロケを実施。
いよいよ福岡に到着も初日は雨!このまま雨が続くかと思いきや、その後の天気はほぼ全日が晴れという実に奇跡的な天候で撮影もしっかりはかどり、先月末の公開に繋げることができました。
田畑も映像もおてんとうさん次第というのは変わらないなーと思った次第です。
今回、僕の九州ロケを全面バックアップしてくださったのは、第1回に出演いただいた松本さんとそのご家族の皆さんでした。ちょうど稲刈り前で自治体の行事も薄い時期でした。車での移動や、時には機材を運んでいただいたり、、本当に本当に1週間みっちりお世話になり感謝しても仕切れないほど御厄介になりました。
福岡ー熊本ー福岡北部ー熊本と1週間濃密に取材をさせていただきました。
九州、人情に厚いアツい感じがいつも行くたびになんだかホッとするんですよね。
酸いも甘いも人間らしさがあって共感したり反発したりをまるっと許容しながらゴロゴロ進んでいくような人間関係というか。
日本が80年代バブルに沸く中で僕は北海道網走にほど近い美幌町という農業林業が中心の田舎で育ったので、決してドライではない昭和の古臭い人間関係を近くで見ていて染み付いているらしく、そういう雰囲気になんだか馴染みがあるようです。
松本さんとは僕が生産者の頃からのご縁で、確か松本さんがオフシーズンに群馬県の生産者さんのところにイセヒカリのタネを取りに来られてたのがきっかけで、前橋の食材店サンデールームでお会いしたのが最初でした。
郵送で数日で届く時代にタネを取りにはるばる九州から!なんて律儀な人なんだろうと思ったのが最初の印象でした。ガッチリした見た目からは予想できないユーモア全開の柔らかい人柄のギャップ。そんな松本さんは九州でも生産者や流通、消費者問わずファンも多く、もちろんお米やお野菜も素晴らしいですが、松本さんの人柄が好きという方も多いように思います。
当時はまだ自然栽培のメカニズムや技術についても発展途上であったこともあり(今も道半ばですが)いろんな可能性をお互いに話し合い、試行錯誤を繰り返し、失敗談や悩み、自分の観点や考察などもたくさん聞いていただき、また逆に生産者としても人間としてもたくさん勉強させていただきました。
わたくし事ですが、僕が自然栽培の田畑を後継者に引き継ぎ安曇野を離れるとなった時は、多くの人がその変化についてポジティブではない印象を持たれたように思います。よくわからないけどなんか途中で辞めた人みたいな。。というよりどう認識していいかわからないという感じだったかもしれません。
まわりをびっくりさせても仕方がない、けど進まなきゃ。そんな気持ちで体の不調と向き合いながらできる範囲で映像や音楽などを学んだりして人知れずパドルを続けていたような時期でした。
そんな時も松本さんは僕を生産者としてではなく一人の人間として見てくださって、僕の変化を素晴らしいチャレンジと背中を押してくれました。あの時の松本さんの言葉にはまたもや救われ、今振り返ってみるとそうして何度となく支えていただいていることに気づき感謝の念を抱かずにはいられません。
ただ今回松本さんを第1回への出演をお願いしたのは、僕個人としての関係とは別に、長年生産者として、また農家の後継としての立場から自然栽培に転向し、自ら試行錯誤を繰り返し実践的に経営をされているという松本さんのこれまでの歩みや観点が、自然栽培にチャレンジしたい多くの方や興味のある方にインスピレーションになるのではないか、と思ったからでした。
また、その柔らかい観点は『イノチのシゴト』の副題である、まさに生命に寄り添うまなざしでした。
地域で起こる様々な自然現象を見つめる視点。これまでの松本さんのチャレンジや変化。今後の目標などをリアルな現場のリアルな声として映像に盛り込めたらと思い制作しました。
また、映像ではお届けできなかったお話しもたくさんあり、モトクロスライダー時代の大怪我やそれがきっかけの精神的な成長、ご家族が体験された医療が原因で発病されたお話や、その後の医療との関わり方など、ご自身ご家族で体験をされたからこそ話せる大変興味深い逸話も多く収録させていただきました。
正直カットしたくないエピソードばかりなんですが、それらは良きタイミングと場で皆さんと共有できればと考えています。
生命や自然という大きな概念をどのような角度から捉え、どのようなマナーで接し、感じ、どう対応していくのか。映像では松本さんが25年間田畑と向き合ってきた中で紡がれたそれらが日常として語られています。
「シンプルなんだよね。」
松本さんは常にそうおっしゃいます。そして、他の多くの現場の方々も不思議と同じようなことをお話ししてくださいます。その正体が生命そのものの力だとしたら私たちはどんなふうにそれらと向き合っていけば良いのか。様々な生命の現場でそれらに対してどのようなアプローチが生まれているのかを、今後もお伝えしていきたいと考えています。
『イノチのシゴト』では引き続き全国で活躍する方々にフォーカスし、次の時代へのブレイクスルーとなるようなインスピレーションを皆さんにご紹介していきます。
きっと今回の映像では伝わらないこともたくさんあろうかと思いますが、このバイブレーションや現場の雰囲気だけでも皆さんの記憶に残ってくれたら嬉しいです。
まだ見てないという方はぜひご覧ください。高評価や登録などチャンネルサポートいただけますと励みになります!次回もお楽しみにお待ちください!
九州男児は九州女がつくる、というのは本当かもしれないとまた一歩確信に近づきました😊
いつもご覧いただきありがとうございます!