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大晦日の大喧嘩と夫婦円満の秘訣? “アンガーマネジメント”
大晦日の日、夫とわたしは激しい喧嘩をして、そのあとからはそれぞれ別室で過ごし(夫はリビングでわたしは寝室で)そして、わたしは用意しておいた食事も取らず除夜の鐘も聞くこともなくひとり早々と就寝したのだった。
喧嘩のきっかけは取るに足りない些細なことだったけれど、でも、わたしの中ではその数日前にも言い争った火種が燻っていたんだとおもう(そしてここまでわたしがキレてしまったのには、他にも理由があってのことだと後になって知る、、、その答えは最後に)
その日の喧嘩はこんなふうに始まった。
わたし「ここにあったお茶のティーバッグ捨てた?」
夫「うん。」
わたし「なんで勝手に捨てるの!まだ一杯しか飲んでいないのに!(貴重なお茶で、なおかつマグカップが小さいので2杯目に使うために置いてあった)」
夫「いつも置きっぱなしにしてるから」
わたし「はぁ?今、1杯目入れたばっかりじゃん。3分も経ってないし、なんで断りもなく勝手に捨てるの?」
夫「だって、置きっぱなしにしてるから」
わたし「そっちだって、いつもそうでしょ!それに今飲んでるでしょ?ひとのもの勝手に捨てないでよ!謝って!」
夫「やだ。俺、悪くないもん。」
お読みくださっている方がいらしたら、この時点でどちらが悪いとおもいますでしょうか。夫がひとこと謝って反省してくれたら、済んでいたはずだとわたしはおもっているのだけれど。
それからしばらく「あやまって!」「やだ」の押し問答が続き、ついにわたしはキレた。つまり自分に「怒ること」を許したのだ。
許した瞬間、わたしは怒りを抑えきれなくなって、ますます怒りが増していくことが自分でもはっきりわかった。
わたしは、夫の腕を掴み「あやまってよ!」と。さらにそれを振り払った夫の胸元のセーターを引っ張って「あやまってって言ってるでしょ!!」
そしてついに言葉はもっと乱暴に「あやまれよ!!!」と、いまにも殴りかかりそうになっていた。
この時、大袈裟に聞こえるかもしれないけれどそれは殺意にもなりかねなくて、こうやってケンカからの殺人事件が(カッとなって近くにあった鈍器で殴ってしまったとか)起こるんだと冷静に頭の隅でおもっていた。かろうじて、理性は残っていたから良かったけど。
それでも、もしかして事件が起こりそうなので、わたしはその場を離れることにした。
寝室に行き、夫に暴力を振るうかわりに(!?)、夫のベットの布団を引き剝がし、枕をマットレスの上に叩きつけた。そうするともっともっと怒りが湧いてきて、何度も枕を叩きつけた。言ってはいけない言葉も発していたかもしれない(傍から見たら結構怖いよね、もしかしたらわたしってやばいやつ?)
どうしても怒りが収まらなくて、だから気をそらそうとテレビをつけて、自分のベットに入り込んだ。興奮でふて寝もできないので、なんでも良いから見るふりをした。そしてしばらくそうしているうちにようやく怒りは収まっていったのだったのだけれど。
冷静になると、なるほど、アンガーマネジメントとはこういうときにつかうのか、と思い出した。あのとき確かに、「感情のままに起こること」を許す一瞬の隙ががあったことを自覚している。それは「年末だし、いっか~」みたいな気の緩みからくるものだったかもしれない。
感情のままに怒ることは、怒りをさらに増幅させた。そして枕を叩きつければつけるほど怒りが増すことにもやりながら気がついていた。枕を叩きつけるときは、誰も見ていないし、物だからあたってもいいんだって、そうやって自分に「怒ること」を許した。
でも、これは自分のためにも良くないはずだ。
こういう乱暴なケンカって、甘えがあってこそだということをわたしは知っている。だって怒りとは「相手が自分の期待に応えてくれなかったときに出てくる感情」らしい。これが友達だったら?会社の人とかだったら?わたしは胸ぐらを掴んでまで「謝れよ!!!」というだろうか?(いや、その前に普通は謝ってくれるよね?)
この歳にもなってわたしはまだそんなことも出来ていないことに改めて気が付いた。
翌朝、夫はわたしの機嫌を取るように話しかけてきた。でも、冷静になったものの、まだ怒りが収まっておらず、わたしは夫を無視し続けた。それでも構ってくる夫。
「お雑煮食べる?」ついにわたしはそう言ってしまった。怒っていても仕方がないし、普段は本当に仲の良いのわたしたちで、夫にはいつも心から感謝しているのだから。どうせ仲直りするのなら、この時間はもったないとおもったからだ。
長年、一緒に暮らしていても、未だにどうしても理解できない部分がいくつかある。なんでそうなの?そこ、直してよ!変えてよ!
でも、夫からしたってそれは同じはず。
ずっと一緒にいると自分の一部のように思ってしまうけれど、わたしたちは別々の人間だから、考え方だって、すべてが同じになるわけがない。
もし夫が、わたしと同じような人間だったらお互い意地を張ったまま話すタイミングを失って、溝はどんどん深く大きく広がって、もうとっくに一緒にいないかもしれないともおもう。そういった面でも、夫とわたしは違う性格で良かったとおもったりもする。
お雑煮を食べながら話しかけてくる夫に、わたしは不機嫌な声でぽつりぽつりと答えを返す。
夫「しゃべりたくないならしゃべらなくてもいいけどさ、天気も良いから散歩に行かない?」
腹立たしい気持ちもまだ残っているけれど、こういう時は意地を張らずに行くことにしている。散歩に出てしまえば、いつの間にかすっかり元通りだ。
寒い冬、わたしはいつも夫の右側にぴたりと腕を絡ませて歩いている。
ところで、なんであんなにイライラしてしまったのか、それは数日後になってわかった。どうやら、生理前だったみたい。ホルモンバランスのせいだ。
女は恐ろしい生き物かもしれない。どんな時に強力な地雷が埋め込まれるか自分でもわからない。
だからなおさらこの技を身につけたいと思った。
“アンガーマネジメント”
わたしは新しい手帳にさっそく、そう記したのだった。(素敵な大人になるために)
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お天気は今年も最高!
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遠いけど、とてもお気に入り。