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『君の名前で僕を呼んで』 監督ルカ・グァダニーノ 映画感想文
『Call me by your name』
やっと観ることができた。
ありがとうAmazonプライム!
映画は、音楽や美術に比べると掘ってきたと言えないジャンルのうちのひとつだ。
だからこそ観る映画一本一本が鮮明に覚えられる。
では、書き殴りの感想を大急ぎで、熱が冷めないうちに。
※以下少々ネタバレ含みます
俳優、メロすぎ
主人公、17歳の少年エリオ役はティモシー・シャラメ。なんつーメロ男だ。
演技が下手くそだのなんだの言われていたのをどこかで聞いたことがありますが、知ったこっちゃありません。
造形美が素晴らしい。excellent。思わずスタンディングオベーションしちゃう天才的なお顔、あどけない肉体に見惚れました。観ている途中「いや、顔、良(よ)」と何度こぼしたかわかりません。
そして24歳のお相手オリバー役は初めてお目にかかるダンディ男さん。
いかつい身体にスマートなお顔(特に鼻)のギャップにやられます。
惚れ惚れするようなtheイケ男で、街中のおばちゃんたちがきゃあきゃあ言いながら周りを取り囲む系です。「あらぁオリバー、今日も一段とイイ男ね」言いたい。これを私に言わせてください。
すぐに調べましたがアーミー・ハマーというアメリカの俳優らしい。wikiによれば身長194cm。神、二物を与えすぎてる。
この2人が織りなす純愛ストーリーなので、一秒たりとも目が離せない。
内容についてはシンプルなBLという感じで、
想像していたよりもひねりは無く、感情がぐるんぐるんひっくり返されるようなドキハラ映画ではありませんでした。ただ、とてつもなく美しく、切ない映画です。
この俳優さんたちだからこそ成し得た業でした。
視覚・聴覚をやられる
美しい、と一口に言っても特に突き刺されるのは目、耳です。
先述したようにまずは俳優たちにメロがりますが、舞台がイタリアということもあって、出てくる街並み、ふとした木陰、ランチの風景、どこを切り取っても絵になるんです。ポストカード五百枚は刷れる。
頻繁に果実が出てくるのですが、それらと俳優たちとの親和性が高く、みずみずしい一瞬の輝きを観ることができます。
言わずもがなファッションも全て様になってるので唸ることしかできず。
ただ、膝丈の短パンばっかり履くオリバーに何度か怒りました。日本人男性の膝丈短パンに免疫があまり無かったので。まあそれでも美しいのでもうどうしようもありません。
視覚をとろけさせられたかと思いきやすぐさま音楽の魅力に溺れます。映像を邪魔しない繊細なBGMはより一層物語の繊細さを際立たせます。すぐにサントラをプレイリストに入れましたが、坂本龍一さんが作った曲が何個かあり、「ほらやっぱりね!(?)」と叫びました。私は彼の音楽に弱いです。というか日本人全員弱いと思います。
今もサントラを流しながらこれを書いていますが、私のふざけた文章を全部削除したくなるくらいには純度が高いです。
ラスト、有名な一曲とともに題名が回収されるシーンでは、自分の鼻がずびずび言うのがうるさかったくらいかな。
きっとこれからしばらくは、サントラを再生してエリオとオリバーに思いを馳せることになるでしょう。
題名に込められた意味
やはり気になるのは、
題名『君の名前で僕を呼んで』。
どゆこと?観るまではずっとこの感情でした。
※ここからは濃いめのネタバレです。
実を言うと、観たあとも題名の意味はうっすら被せられたヴェールの部分くらいしか理解出来ていなかったと思います。
以下のリンクを読んで悶え、やっとヴェールを捲った下にある芯の部分に触れた気がしています。
有識者すげ〜!
愛とはなんだろう、それを2人の人間が考えて、たどり着き、触れ合って、繋がる。
壊れそうな関係を、静かに守ろうとする人間の尊いところを見せつけられて私はただぐすぐす言うしかできませんでした。
良い時間でした。
追記、今回は映画通ぶって字幕版で見ましたが、吹き替え版の声優さんは
エリオ/入野自由、オリバー/津田健次郎だって。二度目の視聴が確定です。
みんな、アマプラへ急げ!!