産業ネットワークを加速させる、日本経済の「縁の下の力持ち」【航空貨物ってどんな仕事?】
飛行機では、お客さまの手荷物だけでなく、空輸の貨物も一緒に運ばれていることはご存知ですか?
生鮮品から、犬や猫などのペット、医療機器までのさまざまな貨物が、大切なお客さまとして目的地まで送り届けられます。2016年に飛行機で輸送された貨物の総量は、日本国内向けに約90万トン、海外向けに約152万トンを超えています(国土交通省調べ)。
「飛行機で、速く・大切に貨物を運びたい」――そんな声を支えているのが「航空貨物」の仕事です。チームメンバーが協力して、貨物が入ったコンテナを次々と仕分けていき、24時間休むことなく、空港から日本、そして海外にいるお客様のために貨物を届け続けているのです。
ここでは、貨物を通して日本の産業を支える航空貨物の仕事をご紹介します。
■プロとしての流儀「素早く、正確に」
飛行機が空港に到着してから、出発するまでの所要時間は、国内線では約45分間(※飛行機のタイプによって異なります)。1日何百台ものコンテナが空港に到着し、また空港から街に運ばれていくなか、限られた時間内で仕分けることが貨物スタッフの腕の見せどころです。
飛行機が空港に到着したらすぐに、機内にある貨物の荷さばきを行います。また、コンテナ単位で届いた貨物は、フォークリフトを使って貨物ターミナルに運び、荷物を振り分けます。
反対に出発便では、貨物の内容を確認して、必要な税関の手続きを行ったり、どのような貨物が空港に運ばれてくる予定かを確認しながら、安全で効率的な貨物の積み付け方や、重量とバランスなどを計算します。そのうえで、飛行機に乗せるコンテナを一つひとつ計りにかけて、重量ごとにターミナルに並べていきます。
どちらも、チームメンバーが協力しなければ、時間内には間に合いません。個人力だけでなく、組織力が問われる仕事です。
貨物の出し入れに時間がかかってしまうと、飛行機に関わる他の職種の人たちにも影響が出るだけでなく、最終的にはご搭乗予定のお客さまにもご迷惑をおかけしてしまいます。「速く」「正確」であることは、プロとしての必須条件なのです。
■「職人」でかつ「接客上手」なスタッフたち
飛行機から降ろされた貨物は、お客さまのもとに届けるため、空港で運送業者に引き渡されます。貨物ターミナルに、次々と増えていくコンテナ。お客さまの満足度のために、運送業者との連携は必要不可欠です。
貨物の引き渡しに時間がかからないように、運送業者が操作するフォークリフトの動きを見て、引渡しのコンテナの置き方を工夫したり、気持ちよく取り扱いできるよう一つひとつ丁寧に業務を行います。人と貨物が絶え間なく行き交うターミナル内では、場内の交通整理にも職人としての技量が求められるのです。
職人としてのこだわりと責任感を持ち、かつ接客業のように、関わる人の笑顔を目指して取り組む仕事なのです。
■貨物サービスの共通意識は、「日本の産業を支える縁の下の力持ち」
空港内スタッフとお客さまの間に立ち続ける貨物サービスは、チームメンバーとの協調性や、外部とのコミュニケーションスキルが求められる仕事です。
同僚と声をかけ合いながら協力して働くこと、切磋琢磨してチームワーク力を高めることなど、その人だからこそできるスキルを積み重ねることで、多くの業務に携わることができます。一方で、ささいなミスをきっかけに、大きな事故につながりかねない業務のため、チームメンバーとの意識共有も忘れてはいけません。
世界中に配達される航空貨物。その裏では、相手の思いを汲みとって、お客様に届けることのできるサービス・クオリティが重要となってきます。「運送を通して、思いを世界に届けている」という誇りを持てることこそ、この仕事のやりがいとも言えるかもしれません。
ものの移動の中にあるドラマを喜び合える人たちが、日本の産業を支えているのです。
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