『一年一組せんせいあのね:詩とカメラの学級ドキュメント 』こどもは、大人が思っているより、ずっと世界をよく見ている
昨日、図書館で予約していた『一年一組せんせいあのね』(編者・鹿島和夫、灰谷健次郎 フォア文庫)が届いたとメールがきたので取りに行ってきました。
友人が、すごくいいと紹介してくれていた本。
1994年が初版だったんですね。小学生のこどもたちが、毎日担任の鹿島先生にあてて書いた詩を集めたもの。
まだ数編しか読んでいません。なのに、こどもがこんなに大人をよく観察して、飾らない言葉で、見たもの、感じたことを書けることに驚きました。
おとうさんやおかあさんとの暮らしには、毎日どんなできごとがあるのかが垣間見えて、よその家をのぞいているよう。
おもしろかったり、はっとしたり。
こどもは親のことをよくみているんだなぁ。
ほんわかして、くすっと笑える詩もあるけど
『ぼくだけほっとかれたんや』
という詩を見た瞬間、この子がおかれた情景が目に浮かんで涙がでそうになりました。
家に帰ったら、おとうさんもおかあさんも、兄弟もいない。自分だけがおいていかれたことを綴った詩。
だれもいない部屋をみた少年の衝撃はどれほどだったか。こどもの目から見えた部屋を、自分も見たかのような気持ちになります。
こどもの書いたものが、これほど力をもっているとは。
一晩たっても、昨日読んだ「ぼくだけほっとかれたんや」の詩が頭に残っています。
今日は歯医者での治療日でした。目をつむるとまた詩を思い出し、涙が流れそうになって困りました。歯の治療中なのに痛みで泣いているように見える。
あわててハンカチで目をおさえました。
大人の目線で、こどものことが語られることは多いけれど、こどもがどんなことを考えているのか、大人は、わかっていない。
こどもは大人が思うより、ずっと世界を的確にとらえていて、おこるできごとに対して、自分なりの答えをもっている。
毎日、あったことを聞いてほしい。わかってほしい。
そのために一生懸命、書こうとする。
伝えたいから書く。
なぜ書くのか。
こどもたちの文章から教わっています。
そういえば、3月に新書版となって
『せんせいあのね 1年1組かしま教室 1 ひみつやで』がでるそうです。
いつも行く本屋さんに予約注文しました。
どんな編集になっているのか楽しみです。