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読書記録:ミヒャエル・エンデの「モモ」未来を予見したかのような本
時間どろぼうと,ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語.時間の真の意味を問う,エンデの名作.
名作と言われ、いつか読んでみようと思いつつ、ずーっと、いつかのままにしていたミヒャエル・エンデの「モモ」。
箱入り、布張りの愛蔵版が美しくて、いつか読もうの本を購入し、家で本を開いた。
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それだけで、何か体の中にゾクゾクしたものが走ったような気がした。子どもの頃、挿絵や装丁が好きで海外の物語に引き込まれていた気持ちを、少し思い出す。
ザラっとしたやわらかい布の手触り。
手に持つだけでやさしさを感じる本が磁力を持っているような感じさえした。
読み始めると、50年も前に書かれた本なのに、現代をそのままうつしているようで驚く。
モモの前で、人は、しゃべればしゃべるほど自分の本心をかくせなくなっていく。モモは、本心を映す鏡のようだ。
人間に気づかれないように時間を盗んでいく時間どろぼう。
大切な時間を奪われても気づかずに、不自由に暮らさなければならなくなる人々。
効率、便利さにつられて失うものが多い現代、そのままの情景が、エンデにはすでに見えていたんだと思った。
270ページを超える長編だが続きが気になって、時間どろぼうとモモとの対峙は、どう結末を迎えるのか気になって毎日読みすすめた。
「モモ」は児童書かもしれないが、大人にすすめたくなる本。
わたしは、今だから読んでよかったんじゃないかと思う。