最近おもしろいなぁと思った本 + 「大人の為の読み聞かせ会」オープン会議やりますよ→12/12(木)
最近おもしろいなぁ、ハマったなぁと思った本をご紹介したいと思います。
あと、最後に明後日のイベントの告知が入ります。
「ナラティヴと共同性」野口裕二(著)
正に今没頭して読んでる本がこれ。
ナラティヴとは「語り・物語」のことです。
臨床心理学や社会学、もしくは文学や神話の領域などに興味のある方は一度このナラティヴ系の本をどれか一冊読んでみるといいですよ。世界観が広がるか、これまで生きてきた世界に納得するかのどちらかが得られると思います。
言葉は世界をつくる、ということと、我々は人生の物語を生きている、という表現は本当に納得。がってん。
その理解の上で、物語はどうして・どうやって傷ついた人を癒やしていくのか、という問いから始まる本です。面白いです。
各章が独立しており、短く、読みやすいです。親切設計な本です。
この本の後半でフィンランド発の臨床ケアで「オープンダイアローグ」というのが登場します。こちらが次の本に繋がります。
「開かれた対話と未来」ヤーコ・セイックラ+トム・アーンキル(著)/斎藤環(監訳)
これも絶賛読んでる途中。
時間軸では、ナラティヴより先にこっちを読み始めたんですが、わからないことが出てくる → 検索する → ナラティヴに行き着く…ということで、今はナラティヴ優先で読んでます。
オープンダイアローグという手法の面白いところは、
・無駄に戦略的に考えない(戦略から一歩離れる)
・プロセスを隠さない
というところ。
これが実際にオペレーションにも反映されていて(オペレーションが先か?)、スタッフ(裏方)だけでMtgしないそうです。だから必然的に当事者(患者)とオープンに対話する => よって、オープンダイアローグ。
すごく筋の通った考え方だと思います。
現実と向き合い続けるのは本当に根気のいることですが、その姿勢によって救われることがたくさんあるよね、と共感しながら読んでいます。
「こころの読書教室」河合隼雄(著)
みんな大好き河合隼雄先生の読書会講演集です。
ユング心理学を特に知らなくても、読書好きなら難なく楽しんで読めると思います。頻繁に飛び出す関西弁が和やかな雰囲気を醸しててとても好きです。
各章でテーマになっている本を読んだことがあれば尚良しとは思いますが、河合先生の語り口が絶妙に分かりやすいので、そこまで予備知識を網羅してなくても全然読めます。
そして、これナラティヴとも関連してくると思うんですが、題材として取り上げられている本のストーリー + 河合先生の心理学への深い理解 + 聴衆との場の共有、などなど、こういった要素が複雑に絡み合って、なんとも言えず感動や共感が想起してくるんですよね。とてもうまい。話もうまいし、構成もうまい。正に癒やしですね。表紙の河合先生の笑顔にまず癒やされますが(笑)。
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告知です:「大人の為の読み聞かせ会」企画会議2回目
明後日に迫ってます。「大人の為の読み聞かせ会」オープン会議の第二回です。
「大人の為の読み聞かせ会」というのはプロジェクトネームみたいなもので、中身はまだほとんど決まってません。大雑把に読書が好きな人をターゲットにしてなにかおもしろいことができないか、というのは通奏低音としてあります。ありますが、そのステージの上でどんな演目をやっていこうか、というのをオープンに話し合う為のイベントになります。
ですので、告知に顔が載っている3人がメインパーソナリティではあるんですが、僕らが「このひとの話を聞きたい」という方にもお声がけしていますし、イベント自体は予約などなしでいきなり来場していただいてOKです。
ご興味のある方は是非お越しください。
SN