ステレオタイプな当事者理解、していませんか?
SNSでの情報に触れてふと思うことがあり、今回の記事を書かせていただきました。
精神疾患とその時の状況については、長い精神医療の歴史のなかで科学的に確立されてきたこと確かです。SNSでは病名と傾向、病状についてステレオタイプな配信をお見受けすることがあります。確かに読者にわかりやすい説明だと思います。一方で、病名からの当事者理解というステレオタイプな情報が蔓延していることの、この状態について、気になり今回の記事とさせていただきました。
ステレオタイプな配信を鵜吞みにして、そのようなカテゴライズされた知識で関わられた当事者の気持ちを考えてほしいと思います。傷つくことは、病気からの回復を遅らせることにも繋がります。バウンダリー(距離感・境界線)も大切にしながらも、当事者ひとりひとりのバックグラウンドを含めた包括的な当事者理解をお願いしたいです。
病名、病状では語れない、個々人のバックグラウンド、発病エピソードがひとりひとりにあるのです。さまざまな人生にも注目してほしいなと思います。確かに医学的根拠に基づいて病名がつくわけですが、病名をみて人を見ずになってはいまいかと警鐘を鳴らしたいところです。
少し専門的なお話をしますが、バイステックの7原則、福祉従事者であれば誰でも理解されていることと思います。そのなかに「個別化の原則」という項目があります。同じ病名でも、人それぞれの様々な人生が背景にあることを認識しておきたいところです。
人薬(ひとぐすり)・時薬(ときぐすり)という言葉がありますが、私自身、対人関係を含む環境調整が、体調の回復と減薬に繋がっているように実感します。環境に影響されることそのものは、健常者であろうと当事者であろうと変わらないように思う一方、病気をもつと敏感に反応するようになる傾向を実感します。特に体調に影響するような、そうした外部要因からの影響を遮断することが、治療の過程で大切に思います。現実とのはざまで思うようにはなかなかいかなかったりもするのが世の常のようにも思ったりします。最後までご覧いただきありがとうございました。