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陣中に生きる—12『昭和十二年 九月二十七日、二十八日、二十九日、三十日』

割引あり

四、祖国よさらば!

九月二十七日 高田出発より
十月三日 揚子江遡行まで


九月二十七日

― 神戸着 ―

二時二十分、高田駅出発。
真夜中なので、静かな出発である。

西宮を通過するとき、わが家へ一粁まで近づいた。
誰一人、わが胸中を知るよしもない。

いとしわが子たちは、さびしい夢でも見ているだろうか。
二十一時三十分、神戸臨港線小野浜駅着。
宿舎は茸合区琴緒町岡田様方。

電話でわが家に連絡。
真夜中なのに、妻ほか、魚住・山下・山縣・中野の皆さんが駆けつけて下さる。
ご恩情きもに銘ず。


九月二十八日

休養。
だが、来客多数で応接にいとまなし。
妻と話し合うひまもなかった。


九月二十九日

― 自由行動 ―

休養。
短時間ながら、自宅に帰れた。
つかの間の、夢であった。
今津小学校芦屋女子高等学校も訪れることができた。

岡田五兎先生と、加納町三丁目の精進料理屋で夕食。


後記 岡田先生とともに

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