好きな人の妊娠報告を一番にきいた話【第2章】
その日から、彼女のことしか考えられなくなっていた。
``ともだち``と思っている側からしたら、想像もつかないだろう。
寝てるときも、一緒にコンビニにいくとき、お客さんと話しているときまであなたのことを、考えているなんて。
「よく、あの子のことばかり、見ているね」
そうお客さんに、言われておどろいた。
まわりのひとにも、気づかれているのか。
でも、このお客さんも、彼女も私の本当のきもちはわからないだろう。
最近彼女のシフトが、減っている気がした。
店長に聞くと、夜の店ということもあり、人気のある子からシフトをいれてるようだった。
私の前では、目元をくしゃっとして、かわいく笑う。
でもお客さんの前や、ほかの女の子の前では、あまり笑わないのだ。
それはそれで特別感があり、うれしかったのだが、シフトに入れないとなると話は別だ。
一緒にいる時間が少なくなってしまう。
その日から、話し方や、笑顔のつくりかたを練習した。
元々私は、接客業で働いていたので、人と話すのが嫌いではなかったので、
教えることができた。
``彼女の役にたっている``それがうれしかった。
特訓の成果もあり、お店で人気者になっていった。
他の女の子とも仲良くなっていた、シフトにもたくさん入れるようになった。
なのに、私とすごす時間だけが、少なくなっていた。