「Airbnb Story」を読んで:コロナ禍のIPOを果たしたスタートアップからの学び
1月のことを、旧暦では「睦月(むつき)」といいます。
「睦月」の語源は、古来より、新年を祝うために、親族や大切な人が集まり「仲睦まじく宴を催す月」として名付けられたそうです。
しかし、今年は家族で集まることも憚られ「睦月」が始まることなく、1年間で最も忙しいと言われる「師走(12月)」がずーっと続いてるような感覚ですよね...
そんな中でも、本を読む時間は、なんだかほっとします。時空を超えて、著者との旅をゆっくり楽しめる時間だからです。
というわけで、今回も読書noteです!
先週は「世界最高のチーム」「心理的安全性のつくりかた」を読みました:
そして、今週は、昨年12/10に米国ナスダック市場にIPOし、約10兆円の時価総額をつけた、「民泊」でおなじみの、Airbnbの創業物語を綴った「Airbnb Story」を読みました。
・Airbnb Story|著者:リー・ギャラガー、翻訳:関 美和
ちなみに、この本はCarstayを起業した2018年11月に一読したことがあり、その際にも感想をnoteに書いていました(若い...)。
そして、今回はCarstay経営メンバー全員でこの本を課題図書にしたこともあり、2年ぶりに再読してみました。
読んでみた感想
これまでCarstayで採用してきた戦略は勿論のこと、新たにこれは取り入れたいなと感じた部分や、経営面の学びが多々あり、改めてスタートアップ初期においても模倣できることが数多くありました。
特に、Airbnb共同創業者のジョー・ゲビアがTEDで語った「信頼をどのようにデザインしたか?(How Airbnb designs for trust)」について、具体的にAirbnbが直面した困難とその乗り越え方が、事例とともに紹介されていたので参考になりました。
(個人的に、この動画内でやるスマホを隣の人に渡すワークショップが好きです。ゲストとホストの気持ちを誰でも一瞬で理解させるのが凄い...!)
ちなみに、TEDにも出てくるこの画像は、伝説の始まりとなった、2007年にジョー・ゲビアが、CEOブライアン・チェスキーへ送った1通のメールです。このアイデアをすぐに試し、検証し、ビジネスに繋げたことが、いわゆるリーンスタートアップとしての成功要因だと思います。真似していきたいですね。
「Airbnb Story」で心に残ったキーワード
ここで、本書のなかで心に残ったキーワードを備忘録的に記しておきます。
ローンチして誰も気づいてくれなかったら、何度でもローンチすればいい。ローンチしたら、そのたびに記事にしてくれるから
なめらかに動くこと。簡単に使えること。掲載物件が美しく見えること。必ず3クリック以内で予約が完了すること。
チェスキーたちは、初めからホストに、5つ星のホテルを超えるような「7つ星のサービス」を提供するように励ましてきた。
危機のときコンセンサスで決めると、中途半端な決定になる。それはたいてい最悪の決断だ。危機のときには、右か左かに決めるべきなんだ。
この3人が周囲の人に愛されているということだ。アイデアはクレイジーでも、彼ら自身にクレイジーさはない。厚かましいけれど、攻撃的ではない。失敗したらすぐに反省するし、他人の失敗にも寛容だ。自分の弱みを認めて、それを埋めるべくすぐに専門家の助けを借りる柔軟性もある。
コロナ禍でのIPO
そして、この本が出版された3年後、新型コロナウイルス感染症という未曾有のパンデミックが発生し、全世界的に旅行市場が一瞬にして消滅した中で、Airbnbは不死鳥のように復活を遂げ、IPOを果たしました。
具体的には、従業員の1/4・1900名の解雇、経営陣の報酬1/2カット、マーケティング活動の停止、ボーナスのストップなどのコストカットや、借入実行を迅速に実施した結果、2020年第三四半期の最終利益を黒字化させることに成功しました。
※IPO時の届出書はこちら
ちなみに、このときにCEOブライアン・チェスキーが、解雇した社員へ向けて、送ったメッセージがインターネット上で公開されており、こちらの内容は何度も読み込んでしまうほど、素晴らしいものでした。
和訳はこちら:
そして、IPO後にも、CNBCのインタビューにて下記のように話しています。
今日という日を迎えられたことに対してとても嬉しく思っています。そして、それはメンバー、ホスト、ゲストを含むAirbnbを一緒につくってくれたすべての人たちのお陰です。( I just want to say I'm so grateful to be here today so fortunate and I wouldn't be here if it hadn't been for all the people who helped us, our guest, our host, and everyone helped build Airbnb. )
スタートアップCEOとして、数多くのハードシングスを乗り越え、成功を手にした後も、謙虚な姿勢で、感謝の気持ちを忘れず、誠実に人と向き合い、従業員を大切にし、ユーザーを愛し、多くの人々からも愛されている。
まさに自分の理想の起業家像は、CEOブライアン・チェスキーだなと。
改めて、そう実感させられた本でした。
すべての起業家必読です!
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました*
Carstay株式会社では、ミッションである「Stay Anywhere, Anytime|誰もが好きなときに、好きな場所で、好きな人と過ごせる世界をつくる」を実現するため、国内最大のキャンピングカー・車中泊スポットの予約サービスを運営しています。企業さま・自治体さま・メディアさまと是非連携させて頂きたく、また新たな仲間も募集しておりますので、下記URLより、ぜひお気軽にお問い合わせ頂けましたら幸いです:https://carstay.jp/ja/contact
2021.01.22
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