もっとやせなきゃ、は本当か?

やせたら美しいは、本当か?
その人が、100%その人自身でいられる瞬間が美しいのであって、やせたら美しい、という訳じゃないように思う。その人らしさを極めた人には、他の誰にも決してマネできない輝きが宿るように思う。

傍からみると、どんなに恵まれているように見える人であったとしても、その人にしか分からないコンプレックスを抱えているようだ。隣の芝生は、いつだって青い。自分にないものを持っている(と感じる)人のことを、羨ましいと思うものだ。

だけど、そこで、自分の持っているカード、これに降参する。ポジティブな意味合いで、降参してしまうといいらしい。

自分の持っているものの中で、勝負するしかないんだ。と、肚を決めた人から、楽になれるみたいだ。

「やせなきゃ」とか「〇〇でなきゃダメだ」とかの、呪いから解放されるのだ。

減量するときに気をつけたいのは、
「もっともっと・・・」となる気持ちが出てくることを、あらかじめ認識して警戒しておくこと。

あらかじめ対策を立てておくことをしないでいると、「もっともっと減らしたい」となってしまい、歯止めが利かなくなる。そうなると、いつまで経っても「やせろ~!!と言う強迫観念のようなもの」から逃れられなくなってしまう。

大切なのは、「もっともっと」が出てくることを見越して、あらかじめ「このくらいで充分なんじゃないかな」のラインをしっかりと決めておくこと。逆に、それ以上はいかなくていいんだよ。と、分かっておくことだ。越えてはならないラインがある。

シンデレラ体重なんて、決して目指してはいけない。からだだけじゃなくて、心もしんどくなるよ。

以前、モデルで俳優の方のサイン会に行った時のこと。私の5人前位のファンの方が
「〇〇さんの本を読んで、自炊してがんばりました!あとここから10キロはやせようと思っています。」と報告していた。

すると、そのファンの方を見た俳優さんは、その方に以前にも会ったことを覚えていたようで「がんばったんですね。」と、やさしく労いの言葉をかけていた。そのあとで「でも、あと5キロくらいだと思いますよ。」と、ビシっと、言ってくれていた。痩せようとし過ぎることに対して、強力なストッパーをかけてくれていた。

後ろで見ていた私は「その通り!」と声を出したくなるのを何とか抑えながら、ウザイくらいにウンウンと肯いていた。「あと10キロは行き過ぎだな」と、管理栄養士目線から思っていた所だったので、その俳優さんのコメントが的確で愛に溢れていて、惚れ惚れした。

自分が大好きで憧れている方に、そんな風に声かけしてもらったら、きっとあのファンの方は、もう大丈夫だな、って安心した。越えてはいけない一線を越えてしまうことなく、心もからだも健康で過ごすことができるだろう。

でも、逆に、
自分の大好きな人から「もっとやせろ!」と言われたら、どうなってしまうんだろう。

もうそれ以上やせる必要のない人でも「やせなきゃっ」て焦ってしまうことが目に見えている。

自分にとってのベスト体重、心もからだも調子の良いベストな体脂肪率。それは、誰かに強制されて操作されてしまわないように。ちゃんと、バリアーを張っておこう。


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