タレントマネジメントシステム活用の構想策定支援
新規にシステムを導入する際、経営陣への上申は大きな関門となります。その関門通過支援をする機会が増えています。具体的な事例を紹介させてください。
ある、中堅企業(従業員1500名)では、人事部が主体となり「タレントマネジメントシステム」の導入準備を進めていましたが、導入目的や効果の整理に時間がかかっており、なかなか社内承認を得ることができなかった。そこで漠然としていた目的の明確化や、施策の具体化へのアドバイスをおこない、上申・承認へとつなげました。
Point1:タレントマネジメントシステム導入により見込める成果やその必要性、具体的な取組施策を整理。経営陣にシステム投資の効果が伝わりやすいような上申資料の作成を支援し、承認まで伴走した。
Point2:セレブレインの持つ組織・人事戦略とテクノロジー双方の豊富な知見や過去の豊富な事例、そして独自のフレームワークを活用することで、関係者が導入後のイメージを共有できるように工夫した。
お客様の課題
全国に拠点を展開する同社では、人事機能の高度化や効率化のために「タレントマネジメントシステム」の導入を計画しており、ベンダーの選定もしていました。しかし経営会議で上申をしたところ、導入そのものが目的かのように捉えられてしまい、承認が下りなかったのです。経営陣もタレントマネジメントの推進自体には前向きだったのですが、その方針が事業上の目的や具体的な計画に落とし込まれていないこと、また、システム投資に見合った効果を明示できていなかったことから、再度計画を練り直すことを求められていました。
コンサルティングの内容と効果
最初に、漠然としていたタレントマネジメントシステムの導入目的を、大きく2つに定義しました。ひとつ目は、「人事データの利活用」、ふたつ目は、タレントマネジメントシステム利用による「人事施策の高度化と効率化」です。それから、各目的において、具体的な取り組みや期待できる成果に落とし込んでいきました。まず「人事データの利活用」では、同社が保有している人事データを棚卸しし、人事領域ごとの課題認識や取り組み内容を踏まえた上で、モニタリングする指標を議論。どのような人事データから組織の状態を捉えていくのかを決めました。続いて「人事施策の高度化と効率化」では、セレブレイン独自のタレントマネジメントフレームワークを用いて、課題やニーズを整理し、タレントマネジメントシステムを活用して取り組む施策を検討しました。こういった体系的で具体性のある根拠をもとに再度上申をしたところ無事承認され、予定していたタレントマネジメントシステムを導入することができました。同社からは、組織・人事戦略とテクノロジー双方の知見を豊富に持つセレブレインならではの支援を、高く評価いただいています。
アプローチ1:人事データの棚卸しをおこない、組織の状態を「ファクト」ベースで捉える
タレントマネジメントシステムの導入により人事データから組織の状態を効率的に捉え、採用や配置などさまざまな人事施策に活かすことが可能となります。とはいえ、実効性のある施策を立案するには、そのための人事データが取れている必要がありますし、実際にシステム導入後に実現ができるのか精査をすることが大切です。そこで、まずは同社が保有する人事データの棚卸しと整理をおこないました。次に、各人事領域の課題や他社事例を踏まえつつ、導入予定のタレントマネジメントシステムでの実現可能性や実現方法について確認・検討を行った上で、モニタリングする指標を決定。組織を「ファクト」ベースで判断できる状態にしたうえで、実現する施策案を具体的に詰めていきました。
アプローチ2:独自のタレントマネジメントフレームワークで、課題やニーズを整理
人事機能の高度化や効率化を図るためには、タレントマネジメントシステムを活用して取り組むべき施策を包括的に検討・整理する必要があると考えました。そこで、セレブレインオリジナルのタレントマネジメントフレームワークを用いて、現状どのような課題感があり、どのようなニーズがあるのかを明らかにしていきました。このフレームワークでは、現状と期待値のギャップを見える化し、そのギャップを埋める施策を検討することが可能です。しかし今回のケースではそこまで行わず、現状把握と課題・ニーズの整理に利用しました。そこから取り組むべき人事施策をピックアップし、実現可能性を考慮の上で優先順位付けをおこないました。