うつを治す心がけ、自分をアップデートする

うつになる前の自分に戻ることが、うつを治す、うつが治ったと思っている方へ。
 
私が考えるのは、下園壮太先生の本に出てくるのですが、「元通りの自分に戻ると、またしんどくなる」ということをぜひ一度考えてほしいです。
うつの前の自分を取り戻したい気持ちはあると思います。
うつになってできなくなったことがあれば、そう思うことは自然ともいえるでしょう。だからこそ、元の自分に戻りたいと。
 
少しだけ、考えてみてほしいことは、うつの前の自分に戻ると、またうつになる可能性が高いということです。
うつは、いろいろな要因が重なって発症しますが、要因には、自分の物事の捉え方、自分の対人関係の取り方、自分のストレスに対する耐性などが考えられます。
もちろん、外的な要因として、過重労働、ハラスメント、劣悪な労働環境などもあると思います。外的な要因については、環境調整を行ったり、職場自体を変わるなどの対策をとる必要はあるでしょう。
ただ、自分の要因については、自分がかわる必要があります。
 
ここからは、自分の要因について考えていきますね。
たとえば、「自分はひとりで完璧に仕事をこなしたい」という思いがあったとする。それがゆえに、人に任せることができず、残業や休日出勤をして仕事をこなし、やがてそれらに耐えられずにしんどくなったとします。
うつになって、元の状態に戻って、このままで仕事に臨んだら、どうなるでしょうか。おそらくまた調子を崩してしまいます。
 
ではどうするか。
たとえば、自分ひとりで完璧に仕事をこなすことは難しい、という「新しい考え方を取り入れ
・他者に協力をお願いする
・完璧というハードルを下げる
・なんでもひとりでやろうとしない
という考えをもてば、少し楽になると思いませんか？
 
まあこんなふうに説明するのは比較的簡単です。
だから、元に戻るのではなく「新しい自分を手に入れよう」というのも、理論的にはわかるけど、なかなか難しい。

では、もう少し掘り下げましょう。
 
自分は、なぜひとりで仕事がしたいのか。
自分は、なぜ人に頼めないのか。
自分は、なぜ完璧にやろうとするのか。
 
こういうところまで掘り下げる必要があります。
“自分はなぜひとりで仕事がしたいのか。”
例えば、人が信用できない、他の人にお願いするより自分でやったほうが早いと思っている、など。
“自分はなぜ人に頼めないのか。”
人に頼むのがめんどくさい。できない人だと思われたくない。他の人にお願いして自分の思っているものと違うものが出てきたらめんどくさい。など。
“自分はなぜ完璧にやろうとするのか。”
他の人に認められたい。完璧にしてからでないと他の人にみせるのが失礼だと思っている。適当にするのは悪いことだと思っている。など。
 
ここまで掘り下げれば、ある程度自分がどうすればいいかがみえてきます。それらの考え方をあたらしいものに変えていけばいいわけです。あたらしい考え方や行動は、具体的なものに落とし込むことをおすすめします。
・ひとりでやろうと思いはじめたタイミングで他者に相談する
・人に頼みたいときには、誰かに困っていると発信してみる
・完璧にやらずに６０％でとめて、他の人にみてもらう
といったように。
 
とはいえ、自分の今まで正しいと思っていた考えや行動を、そう簡単に変えることは難しいかもしれません。
まずはそのことに気づくことからはじめましょう。
「あ、そういう考えをしていたな」くらいからでＯＫです。
 
そしてもうひとつポイントになるのは、そういう考えをしている自分をしっかりと受け止めること、です。
変わろうとしても変われないとき。それはしっかりと今までの自分を受け止めて、変わろうと思えていないからです。心のどこかで今のままでいいと思っていたり、今までの自分を否定するようで受け止めきれなかったり、そういう思いは出てきて当然です。
#私も偉そうに書いていますがこころは痛いです。
 
だけど、うつを治すためには、自分の弱いところを知り、受け止め、少しでも楽に生きることができるように、少しずつ自分自身をアップデートしていく必要があります。
そして、意外とまわりの人からみれば冷静に修正点はわかるのですが、自分だけがわかっていなかったり受け止められていないことが往々にしてあります。

ハードルを乗り越えて、自分をアップデートしていきましょう。
 
ちょっと重い話かもしれませんが、きっと自分の人生を見直すよい機会になると思います。というか、そう捉えたほうが気持ちも楽かもしれません。
 
何かの参考になればいいなと思います。
みなさまの一日がステキな一日になりますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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