人体はファインチューニングされているのか?その1
前回まで、一杯の水から宇宙→地球→生物で起こった絶妙な配合(ファインチューニング)について紹介してきました。
今回は、もうすこしズームインして「人体」をテーマにします。
きっかけの「水」に関する話題から。
地球に届いた水の量が絶妙と以前にふれましたが、海水は塩っ辛いです。
いわゆる「塩」がふくまれており、化学式でNaCl(塩化ナトリウム)です。
由来は陸上(岩石など)の成分が溶け込んだ説が有効で、その原因は、酸性雨や月/太陽の潮汐力がもたらす波や以前にふれた全球凍結(スノーボールアースで岩石も氷で覆われた)を通じた溶解です。
なぜこんな話をしているかというと、実は人体にも塩を構成する「ナトリウム」が鍵を握っています。
大胆な仮説ですが、生命を育てた海のメカニズムを人体にも採用した、ということです。
ここで人体の元素組成比を並べてみます。
【人体の組成比率】(Wiki)
成分 重量
酸素 45.5 kg
炭素 12.6 kg
水素 7 kg
窒素 2.1 kg
カルシウム 1.05 kg
リン 0.7 kg
イオウ 175g
カリウム 140g
ナトリウム 105g
塩素 105g
ナトリウムもベスト10にそびえていますが、特に「神経」「血液」の潤滑油として活躍しています。
海水同様、人体の中でもナトリウムは「イオン」、もっといえばプラスの電気を帯びた状態で存在します。
神経細胞はシナプスという接合部を通じて「電気量」を授受することでオン・オフ処理を行います。
この電気を渡す代表的な物質がまさに「ナトリウムイオン」なわけです。(他にもカルシウム・カリウム・塩化物イオンもあり、いずれも海水での代表的なものばかり)
次に、体内全体に酸素などエネルギーを与える「血液」の液体成分に含まれており、そこからリンパ液として各細胞に移動していき、上記のような重要な活動の媒介として機能するわけです。
ですので、この血液中のナトリウム比率が崩れると問題となります。1つだけ解説サイトを引用しておきます。
改めてロマンをくすぐる書き方で締めておきます。
元々海は地球外から飛来した隕石などにふくまれており、それが冷やされて形成されました。
それが地球の鉱物がしみだしていき、その1つのナトリウム(イオン)が、地球全体へ栄養分を運ぶ役割をになったのかもしれません。
そのスープの中で生まれた生命体も、母の原理を模倣してナトリウムイオンを生命活動の媒体として選んだ(または淘汰された)のかもしれません。
<参考リソース>