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生命の起源:第一次エネルギー革命

前回の続きです。

ようは、
有機物なら自然環境で生成可能だが、それが現代の生物に飛躍するにはもっとエネルギーが必要だ、
というはなしです。

ここで、生命の系統樹を載せておきます。基準によって表現が異なっており、これは遺伝子(RNA)配列の近縁度合いで描いています。(個人的にはこのパターンを一番よく見かけます)

https://www.cc.kochi-u.ac.jp/~tatataa/biology/Q2016/161206.html

我々人類は、真核生物の枝葉に属します。生命起源から早々に細菌と古細菌が分岐しており、その壁となる成分や遺伝子配列は異なっています。

逆に言えば、わずかな重複である「代謝(外部物質を取り込んでエネルギーを産む)」こそが、原始生命を駆動する仕組みだったのかもしれません。今回も引き続き参考リソースによる仮説を砕いて紹介します。

あらためて、生命の起源は「アルカリ性熱水噴出孔」で誕生しました。

この天然の壁(硫化鉄)を通じて水素イオン(または電子)を渡すことで化学エネルギー差が生じ(エントロピーは減少)、この居心地のよい家庭的な環境で複雑な有機物が創られていきます。

タンパク質や、細胞膜となる脂質物質もこの時期に創発的に生じたのかもしれません。ここはそれ以上言及しませんが、1案としてそれがカオス理論で生まれたかもしれない、とする過去投稿で濁しておきます。(ここは参考リソース内では深堀せず)

ただ、豊かな有機物が誕生しても、これで稼げるお金(エネルギー)はわずかなもので、この天然壁に守られた家を出て独立する動機までには至りません。

そんな引きこもりの時代に発明されたのが新世代のポンプです。

イノベーションは、水素イオンとナトリウムイオンを交換する膜内タンパク質(対向輸送体)の誕生です。この部品を使ってエネルギーを効率的に獲得するポンプが発明されました。

このポンプはいくつかの方式が考案され、それが古細菌と細菌の違いへとつながっていきます。
そしてついに古巣(アルカリ性熱水噴出孔)を離れて酸性の海へと生存範囲を広げていきます。

擬人的な表現をしたので誤解を与えますが、この時点ではまだ生命の意思というものはなく、あくまでエネルギー交換を通じて化学的に平衡を保とうとする結果です。

これが生命の始祖が二人の子供を産んだ「第一次エネルギー革命」で、地球誕生後わずか10億年で起こったと考えられています。

それから35億年以上もたった現在、「細菌」は今でも大きな進化は遂げていません。

一方「古細菌」の生態系では再びエネルギー革命が勃発し、我々の属する「真核生物」へと進化を遂げます。

次回はその第二次エネルギー革命について踏み込んでみます。


<参考リソース>

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