代替肉と肉食の歴史
最近、フェイクミート、または「代替肉」という言葉をみかけることはないでしょうか?
こんなニュースまで見かけるようになりました。
要は、
世界の食糧問題解決のために、3Dプリンタで1つずつ肉繊維をプリントして代替肉化を目指している、
という話です。
肉を代替できる技術もそうですが、それを3Dプリンタでというのは今風ですね。
さて、こちらはもう基礎研究ですが、もう代替肉自体は実用化されており、私もいくつか試したことがあります。
世界的に一番話題を呼んだのは、ビルゲイツが出資した(投稿時点では30%弱の最大株主)ことで知られる「Beyond Meat」ではないでしょうか?
実はビルゲイツはライバル会社にあたる「Impossible Foods」にも出資しており、その社会課題としての関心の高さがうかがえます。
既にこの2社を皮切りに日本含めていくつかのベンチャーがこの代替肉市場に参入して、製品化を進め、それに後押しされて大手も参入し始めた、というのが現時点での市場観測です。
なぜ、ここまで肉を代替する必要があるのか?
世界的に話題になっている「気候変動」、つまり温暖化ガス排出の抑制が主な理由です。その他の要因もまとめたサイトがあったので紹介します。
全体図だけ引用しておきます。このあたりはバランス感覚が求められるので、個々の価値観で主体的に判断していくほうが健全かもしれません。
では次に、そもそもなぜ「肉」が必要なのでしょうか?
例えば、日本人は文明開化で肉食を始めた、というイメージがありますが、そんな日本の食文化について調べた書籍紹介サイトを見つけました。
肉食が定着したのはこの50年あまり、というのはなんとなく想像してましたが、逆に古代から「食欲を抑えていた」というのが興味深かったです。
古代から日本でも肉食を本能的に求めている、ということを意味していると感じました。
もしかしたら、元々人類というくくりで肉食を求める何かがあるのでしょうか?
そう考えていくと、そもそもの人類史で一気に脳が発達した時期のことを思い出しました。
Nature誌によると、いくつかの要因の1つに「肉食化」があげられています。
時期としては、大体200万年前あたりから急激に脳が大きくなっているようです。
さらには、こんな書評も見つけました。
要は、
肉食こそが人類の生存競争を高めてきた、
という仮説です。単に栄養学だけでなく、異性の獲得など社会学的な意義もあったようですね。
もちろんこれだけが全てとは思えません。
ただ、これだけ肉食が逃れられない実態を見ると、それ自体を是とする脳への感覚が古代から植え付けられている可能性はありそうです。
これからもしばらくは各視点での議論は続いていくのだろうと思いますが、少なくとも栄養学的な観点だけ見ると、「肉食」に依存する必要はないかなと個人的に思います。
その1つが今はやりの「代替肉」ですね。
まずは自分自身も試してみて、どこまで自身の脳が代替でない肉食を求めるのかを、観察してみようかなとぼんやりと考えているところです。
いずれにしろ、これは個々の価値観に沿うところが大きいので、情緒的な意見でなく、色々な科学的な視点を基礎情報として知ることが先決かなと思います。