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安牌ばかりの邦画界で異質な北野映画『首』

はい、どーも、りゅうパパです。
このブログは、子供が寝静まったあとにパパが本音を話すブログとなっております。

11/23より劇場公開が開始された北野武監督作品『首』を、昨日観てまいりました。本日は映画『首』について、お話したいと思います。

毎度のことですが、映画の説明は面倒なので、公式サイトをご覧ください。


説明は難しいが、好き

非常に説明が難しい作品ですが、個人的には好きな映画です。

説明が難しいというのは、純粋な時代劇でも、アウトレイジの時代劇版とも微妙に違うし、コメディ部分もあるし、グロいシーンもあるし、男性同士の恋愛要素もあるし(一部ではラブコメとも言われてます)、とにかく一言で説明できない、ジャンル分けが難しい映画だと思いました。

それは、北野映画らしい、実験的で異質なものを含んだ映画だと言えるかもしれません。

異質な映画でありながら、大規模公開

そんな『首』ですが、公式サイトでお分かりのとおり、超豪華俳優陣で「あの人もこの人も出ているんだ」と思いますし、錦糸町の映画館では、一番大きいスクリーン2カ所で、朝から晩まで上映されていました。

それだけ映画会社からは期待されており、邦画としては大作の部類に入るのではないでしょうか。実際、合戦シーンはCGもあるかと思いますが、迫力があり、お金も掛かっているかと思います。

上述のとおり、ジャンル分けが難しい、異質な映画でありながら、これだけ大規模に公開がされるのは、北野作品がブランドになり、それだけの信頼があるからでしょう。

最近は映画の個性も作家性もいらない?

ちなみに、最近の映画は、否、映画だけではないかもしれませんが、ゲームも含め、制作にはお金が掛かり過ぎるので、邦画であれば人気漫画・小説などの映画化。洋画であっても、安定した人気が約束されたシリーズものが非常に多い状況です。

特に、映画『アベンジャーズ(2012年)』の「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」が大成功(歴代映画の興行成績No.1)を収めてから、同様にユニバース化を目指す映画が増えました。

トム・クルーズ主演の『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女(2017年)』なんかも「ダーク・ユニバース」1作目として制作されました(が、1作目がコケて終了)。

『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ(2021年)』なんかも、アクション監督の谷垣健治さんのインタビューでは、台本に「G.I.ジョーユニバース」と記載されていたと話しています。こちらの漆黒のスネークアイズは、酷評されましたが、またG.I.ジョーシリーズの新作を作っているなんて噂もあります(以下ソース元)。

そのような映画の場合、映画の個性とか監督の作家性なんて、関係なくて、現にマーベル映画『アベンジャーズ』のジョス・ウェドン監督は、ライバル会社のDC映画『ジャスティス・リーグ(2017年)』の監督も途中から引き継いでおり、売れることだけが最優先されているわけです。

まあ、この規模になれば、映画はアートではなく、ビジネスなので、しょうがないですが。

それでも変な映画が作れる北野武ブランド

邦画だって似たような状況の中で、今、こんな『首』のような評価が真っ二つに分かれる変な映画が、それも大規模に上映されていることは、とんでもなくすごいことだと言えるでしょう。

それは、監督北野武がこれまで積み重ねてきた実績がブランド力になり、映画会社と観客がそれを許してくれているのだと思います。

話は脱線しますが、個人的には、ダウンタウン松本人志が映画を作り続けていたら、「北野武のような尖った映画を作れたのでは?」と鑑賞中に想像しちゃいました。TVで活躍するのもいいですが、あれだけの天才なので、作品も残してほしかったと、松本人志の全盛期を知る世代としては思います。

逆に言うと、老害だと批判される北野武ですが、今なお映画業界でこれだけの作品を作れるのは、素直に偉大なことです。

そんなわけで、まとめると、この映画の説明は難しいですが、自分は好きな映画です。また、人気漫画・小説の映画化、シリーズの続編等が多い映画業界で、これだけの変な映画を作れる北野武おそるべしです。

あ、これも言わせてください。加瀬亮最高です。

それでは、また。


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りゅうパパ(カトウFコウジ)
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