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第84椀 巾着たまごのお味噌汁

初出:2021年3月6日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。

テーマ:この1年を振り返って
『(猪のすき焼きの残りで)巾着たまごのお味噌汁』


この一年は地域のお祭り、イベントなどが軒並み中止となり、人と出会って飲食する機会もほとんどなくなってしまいました。もともと自給自足のような生活を目指してはいたのですが、ますます拍車がかかったような気がしています。また、何かをいただいたり、物々交換したりといったようなやりとりも、なんだか増えたような気がします。

というわけで、先日ご近所さんから猪肉を頂きまして、さっそく味噌すき焼きにしてみました。すき焼きの起源は諸説あるそうですが、柄の取れた鋤(すき、現在のシャベルのような農具)を使って鳥獣肉や野菜を野外で焼いて食べたのが始まりだという話もあります。

今回もまず鉄鍋で猪肉を焼くことから始めます。それから、ささがきゴボウ、ぶつ切り長ネギ、おろしショウガも加えて炒めます。そうしたら、酒、水、それぞれ食べやすく切った具材を入れ、豆味噌と手前味噌を半々くらいの割合で、みりんで溶き入れて甘辛で濃いめの味付けにします。

ぐつぐつ煮えてきたものから順次、溶きたまごにくぐらせながら食べます。溶きたまごを使うのは江戸の軍鶏鍋が発祥と聞きます。猪と味噌とたまごは本当に相性がよいですねぇ。猪はなくても、豚でも牛でも鶏でも、味噌を使うといつもと違う濃厚なすき焼きが楽しめます。

さて、たくさん作って余ってしまったので、翌日に残った汁で巾着たまごを作りました。まず、昨日の残りの鍋を火にかけておきます。油揚げの端に切れ込みを入れ、こぼれないようにたまごをそっと割り入れます。口を竹串など(今回はスパゲッティー)で縫って閉じたら、煮立った汁の中に立てて入れ6~7分煮込んだら完成です。そのままおかずにしたり、お弁当に入れてもおいしいんですが、今回はお湯を少し入れて薄めまして、お味噌汁としていただきました。

鍋ものや煮込み料理はついたくさん作りすぎてしまいますが、やはりたくさん作った方がおいしいような気がします。早く以前のようにワイワイ笑顔で大鍋をつつける日がきますように。

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『(猪のすき焼きの残りで)巾着たまごのお味噌汁』
出汁:酒、みりん
具材:猪肉、ゴボウ、長ネギ、シイタケ、エノキダケ、糸コンニャク、ショウガ、三角油揚げ、たまご
味噌:豆味噌と手前味噌(米麦混合麹)


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