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第19椀 道三湯(どうさんゆ)

初出:2015年11月10日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。

戦国武将と味噌シリーズその6

「道三湯(どうさんゆ)」

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戦国武将は味噌の重要性をよく知っていたという「戦国武将と味噌」シリーズです。

以前に大久保彦左衛門の回で、戦場では刀で削った鰹節と味噌をお椀に入れて、熱湯を注いだだけの即席味噌汁がよく飲まれていた。そしてこのお味噌汁は、いまでも沖縄で飲まれている「かちゅーゆ(鰹湯)」と全く同じもの…という話を書きました。

私の住む岐阜県のお隣、長野県にも「どうさんゆ(道三湯)」と呼ばれる、お湯を注ぐだけの即席お味噌汁がありまして「どうさんころばし医者泣かせ」と言い、ひき始めの風邪のときなどによく飲まれていたそうです。むむっ!「道三」と聞いてまず思い浮かぶのは、「美濃のまむし」こと斉藤道三(さいとうどうさん)のこと?!と思ったのですが、実は斉藤道三と同じ頃に活躍していた、曲直瀬道三(まなせどうさん)というお医者さんのことなのだそうです。

この道三というお医者さんも只者ではなく、将軍・足利義藤(後の足利義輝)、細川晴元、三好長慶、松永久秀、毛利元就、織田信長などなど、名だたる戦国武将を軒並み診察しているという戦国時代を代表する名医なのです。そんな道三にゆかりのあると言われる「どうさんゆ」の作り方は、湯呑みかお椀に、生味噌、鰹節、きざみネギ、おろしショウガなどを入れ、沸騰したお湯を注いだらよくかきまぜるだけ。

これは簡単!しかもこれからの季節によさそうですねぇ。もしかして毛利元就や織田信長も、風邪のときは同じようにして飲んでいたかも知れませんよ。そう思うとなんだか効きそうです。煮ないお味噌汁は、ひとつひとつの味がくっきりしていてとても新鮮です。ぜひお試しください。

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「道三湯(どうさんゆ)」
出汁:鰹節
具材:きざみネギ、おろしショウガ
味噌:手前味噌(米麦混合麹)


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