No.21 ノンフィクション小説「ブロークンライフ!!」
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(あ〜。イェンの事が好きだな〜。)
初めて出会ってから、既に約5ヶ月経っていた。
デートを重ねれば、重ねる程、
彼女の事が好きになっていく。
(かと言って、付き合うなら結婚…
そして、仕事で結果が出ていない中で、
そんな場合なのか?)
悶々として、黙りこくっていると、
「What are you thinking about?」
イェンが話し掛けてきた。
「Ah…Nothing!」
「No! Something!!」
「No No」
「No! No!」
イェンが嫌にしつこい。
終いには、
「You don’t wanna share with me?」
とプクッと頬を膨らませて、
ヘソを曲げてしまったようだ。
(あらら…どうしよう…
こうなりゃ仕方ない!!
なるようになれ!!)
「Ok!! イェンI love you.
Would you be my girlfriend?」
「W…What’s!?」
「How is your feeling?」
「Ah…Ah…」
正直に話した事で、
胸のつかえが取れた僕は、やけに強気だ。
「Hey! You don’t wanna share with me?」
先ほどのイェンと同じセリフを返した。
「………」
僕は、沈黙を保った。
もう僕はボールを投げた。
あとは彼女次第だ。
僕にはどうする事も出来ない。
すると、
「Ah…I…I like you but,
I think you need to go back to Japan one day.
How do you think about that?」
「I can quit my company at that time
or Negotiate with them I can be here.」
「Ah…ok…and My family is christian,
But you are different how about it?」
「I don’t wanna join christian but
I can respect your religion and your family.」
「………」
イェンはまた黙ってしまった。
(これは、敗色濃厚かな…?
ああ、勢いで言うんじゃなかった…。)
すると不意に、
「…Ok」
か細い声で、聞き取れない。
「What?」
「I said ok!!バシッ!!」
「Hey!! What a violent you are!!」
「Shut up!!バシッ!!」
こうして、僕とイェンの関係は、
イェンから僕への暴力と共に、
一つステップアップした。
フーティウを食べながら、
僕はイェンの顔を見ている。
「What?」
「Nothing」
「Don’t look at me!」
(あ〜、今日から彼女か…)
気を抜くと、顔が緩んでくる。
イェンがまた手を出そうとしたので、
僕はフーティウに集中した。
今日の晩御飯は、イェンが奢ってくれた。
ベトナム語音声の映画を選んでしまったお詫びだそうだ。
気にしてないと言ったが、
イェンが気にするとの事だったので、
甘んじて受ける事にした。
いつも通り、イェンの家の近くまでバイクで送った。
Grabタクシーを呼んで待つ間、他愛のない会話を楽しんだ。
Grabタクシーが来て、僕も、イェンもバイクから腰をあげた。
イェンの不意を突いて、僕は彼女をハグした。
嫌がられると思ったが、彼女も背中に腕を回してくれた。
「Thank you so much. I’m so happy.」
「Me too. Thank you so much.」
別れの挨拶をして、Grabタクシーに乗り込んだ。
言葉が通じれば、タクシーの運ちゃんに、
自慢したい所だったが、今宵の彼はベトナム語オンリーだったので、
自分の中で幸せを噛み締めながら帰りのタクシーに揺られていた。
ホーチミン市内の夜景を見ながら、
(これからどうなるかな…)
不安はあったが、
今はイェンのボーイフレンドになれた事がただただ嬉しかった。
先ほどまで止んでいた雨がまた降り出した。
不安定な天気は、これからのベトナム生活を暗示しているような気がした。
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