No.26ノンフィクション小説「ブロークンライフ!!」
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「Wake up!!(起きて!!)」
「フガッ!?」
「We should go!!(行かないと!!)」
「Okok...」
寝ぼけ眼をこすりながら、ベッドから出る。
イェンは、慌ただしく部屋から出て行く。
(ああ、そうだ。イェンの実家で昼寝していたんだった。)
準備も特になかったので、鏡を見て髪だけ手ぐしで直し、
そのまま部屋から出た。
「イェン!! I woke up! Let's go!
(イェン!起きたよ!行こう!)」
「So soon! Just a minutes!
(早い!ちょっと待って!)」
(自分が、早くって言ったのに…)
仕方なく、玄関に座って待っていると、
外から小さな女の子がこちらを見ている。
歳は、4〜5歳位だろうか。
暇つぶしに、
「シンチャオ」
と声を掛けると、
「Hello! What is your name?
(こんにちは!名前は?)」
と返ってくる。
なんと、英語が話せるようだ。
「My name is Koichi.And you?
(僕はコウイチ。君は? )」
「My name is LEXUS!!
(レクサスよ!)」
「レクサス!?」
「Hey アンコイ! What are you doing!Let's go!
(アンコイ!何やっているの!行きましょう!)」
「I talked with her.
Did you know? Her name is LEXUS!
(彼女と話してたんだ。知ってた?彼女の名前は、レクサスだって!)」
「Of course I know. She is my brother's daughter LEXUS Let's go!
(もちろん知ってるわ!兄の娘だもの! レクサス!行くわよ!)」
「Ok!」
僕らは、3人でバイクに乗り、
イェンの母方の祖母の家に向かう。
(それにしても、レクサスとは驚いたな。)
当然だが、これはあだ名だった。
彼女の父親が、レクサスが大好きだそうで、
つけたあだ名だそうだ。
(男の子につけるなら分かる気がするけど(笑))
目的地は、バイクで10分もかからなかった。
ここでも、様々な料理が用意されている。
バイクを止めて、イェンと、レクサスが先に降りていく。
僕は、バイクを駐車スペースに停めてから、
遅れて、家の中に入った。
おばあさんに、
「シンチャオ」と言いながら、
躊躇気味に手を出したら、
お婆さんは、笑いながら
イェンに何か言った。イェンも笑いながら、
「She said you must be scared to give your hand
because she said something before.
(さっき、何か言われたから、きっと手を出すのが
恐いんでしょうと言っているわ)」
(うっ…お見通しだ…ハハハ。)
もう笑うしかない僕の側で、
様子を見ていた親戚の方々も、
イェンから事情を聞くと、笑い出した。
先ほどよりもずっと和やかな雰囲気で、
椅子に座るように促された。
すぐに、ビールをお酌され、
誰よりも先に、乾杯の準備をしていると、
「Oh you get used to vietnamese style!!
(ベトナムスタイルに慣れているね〜!)」
と親戚の方が嬉しそうに言ってくれた。
皆で笑いながら、改めて、
「1.2.3ヨー!!」
と乾杯をするのだった。
イェンの親戚は、なかなか高学歴だった。
医者の方、大学教授、経営者などなどだ。
(身なりも皆さんキレイだもんな〜)
話を聞きながら、ふと目を移すと、
レクサスが手招きしている。
席を立ち、彼女の元に行く。
「アンコイ!Plz bring me to 2nd floor!
(アンコイ!2階に連れて行って!)」
後ろのイェンに、
「Hey イェン! LEXUS said bring her to 2nd floor. Is it fine?
(イェン!レクサスが、2階に連れて行けって言うんだけど、良い?)」
「No! You should be here. We can play with her later.
(ダメよ!あなたはここに居なきゃ。後で遊べるわ。)」
「Sorry I need to be here now...
(ごめんよ。僕はここに居なきゃダメみたい)」
すると、露骨にプクッと頬を膨らませると、
レクサスは行ってしまった。
(あ〜…怒ってる怒ってる…まあ、仕方ないか。)
その後しばらく親戚の方々と団欒を楽しんだ後、
御開きとなった。
僕は改めてレクサスに、
「Hey Let's go to play somewhere!!
(さあ、どこかで遊ぼうか!)」
と誘うが、
「………(プイッ!!)」
とそっぽを向いてしまう。
するとイェンが、何か彼女に言うと、
先ほどまでが嘘の様な笑顔で、
「アンコイ!!Hurry up! Hurry up!
(アンコイ!早く!早く!)」
と僕を急かす。
「What did you say?
(何を言ったの?)」
「I told her we can bring you to park.
(公園に連れて行くと言ったのよ)」
「Park…(公園か)」
(公園に何か特別な物でもあるのかな?)
僕には検討も付かなかったが、
その後僕ら3人は、バイクで20分程かけてその公園まで移動した。
そこは、僕の思い描いていた公園とは違ったが、
様々な乗り物がある、さながらちょっとした遊園地だった。
「アンコイ! I wanna try that!!
(アンコイ!あれ乗ってみたい!!)」
レクサスは、ウキウキが止まらない様子だ。
「Ok! Let's try!(Ok! 乗ってみなよ!)」
僕は、係員にお金を支払うと、
日本にもよくある、動物の形をした、
車輪がついた乗り物にレクサスを乗せた。
「Woohhhh wow!!!!(ワー!!!)」
「Ohhhhhh!!(オー!)」
声をあげながら楽しんで乗るレクサスを、
イェンと共に、見守っていた。
(子供がいるって、こんな感じなのかな…)
そんな幸せな気分を味わっていたが、
レクサスのお父さんから、イェンに電話があった。
「What did he say?(何て言ってた?)」
「He said come back.(帰って来なさいって)」
レクサスは、急に不機嫌になった。
バイクまでの道で売っていたバルーンを
僕が買わなかったからだ。
ふと、レクサスが、
「アンコイ! Go fast!(アンコイ!早く走って!)」
僕は、機嫌を取る為にも、
「OK!」と言って、スピードを上げた。
「アンコイ!Go slowly!(アンコイ!遅く走って!)」
「???OK!」
少し不思議に思いながら、スピードを落とした。
すると、家に着いてバイクから降りた時に、レクサスが、
「Could you do me favors anything?
(何でも言う事を聞いてくれるの?)」
「Yes!(うん!)」
「If you do me favors ,
you should do last time as well.
(お願いを聞いてくれるなら、
さっきの公園でのお願いも聞くべきだわ)」
と言って、走って行ってしまった。
僕とイェンは、目を合わせて笑い出してしまった。
その後、レクサスの両親と、お母さんにそれを話すと、
皆んなで爆笑をするのだった。
(何て賢い子だ…)
ベトナムのお子さんの末恐ろしさを感じると共に、
(子供でこれなら、大人になったイェンは、
どんなモノを秘めているのだろう…)
と畏怖の念を感じていたのは、イェンには内緒だ。
明日に続く…
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