No. 19 みんなピカソ!ピカソ展を鑑賞し、ピカソみたいに描いてみました!
5月8日(月)、年長組みんなで「ひろしま美術館」に行き、特別展「ピカソ:青の時代を超えて」(2/4~5/28)を鑑賞しました。
「のぞみ幼稚園」と「ひろしま美術館」は、広島銀行100周年文化事業として一緒に設立されました。
言わば兄弟のような仲です。
特別展を鑑賞後、広島女学院大学教授の三桝正典先生の指導のもと、みんなでピカソになったつもりで絵を描きました。
「のぞみ」の芸術教育アドバイザーである「アトリエぱお」の加藤校長先生も「のぞみっこ」のために駆けつけてくれました。
先生方の協力のもと開催されたこの特別アート教室「みんなピカソ!」の模様はこちら:
http://nozomi-koi.com/2023/05/08/%e3%81%b2%e3%82%8d%e3%81%97%e3%81%be%e7%be%8e%e8%a1%93%e9%a4%a8%e3%80%8e%e3%83%94%e3%82%ab%e3%82%bd%e5%b1%95%e3%80%8f%e3%81%ab%e3%81%84%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%e2%98%86/
(※在園児保護者限定動画アプリ「てのりの」で、展示会場内での教室の様子の動画が見れます。)
世界的な名画を幼児に見せて、そこで得たインスピレーションとともに自分で自由に描くー。
この三桝先生による「創造的鑑賞」としての「3H美術教育」に出会ったのは、私が「のぞみ」に来るずっと前、まだカナダの大学で教えている頃のことでした。
3Hとは、「感じる力(Heart)」、「考える力(Head)」、「みる・かく・つくる力(Hand)」のことです。
まさに「のぞみ」の国際バカロレア(IB)教育そのものです。
「3H美術教育」「創造的鑑賞」についての三桝先生の論文「幼児期の美術館での鑑賞活動における心理的効果についてー 「3H美術教育」「創造的鑑賞」に依拠した美術作品鑑賞ー」はこちら:
file:///C:/Users/koi070/Downloads/ronsyu59mimasu.pdf
ニューヨークで過ごした学生時代に私は、ヤンキース・スタジアムやマディソン・スクエア・ガーデンで過ごすのと同じぐらい、MOMAやグッゲンハイムといった美術館に入り浸っていました。
貧乏学生だった私がそんなことが出来たのは、ニューヨークの多くの美術館は毎週一回、無料か、自分で入館料を決めれるPay What You Wishの日があるからです:
https://www.osanpotsushin.com/museum-free-admission-2020/
ですから私が訪れる時には必ず、散歩がてらにやってくる親子連れがいました。
そしていつしか、ピカソやマティスの絵を前にして、傍らで見ている子ども達から漏れる声を聞くことが、世界的名画を観るのと同じぐらい楽しみになりました。
私たち大人の想像の遥か彼方にある子どもたちの感想が、とにかく面白いのです。
その愉快でかわらしい声を聞きながら私は、「きっとゴッホやダリもこんな感じで描いていたのだろう」と確信し、「子どもは元々はみんな天才」という考えに至りました。
そしてまた、それを凡人にしてしまう危険を教育がはらんでいるということにも。
ですから、子どもたちの生まれ持った才能を枯らすのではなく、逆に大きく花開かせるには、幼い頃から名画に触れ、そこから出来る限りのインスピレーションを受け取ることが不可欠なのではないかと思いはじめました。
その後、実際に幼児教育に携わることになり、そんな教育を行っている人が世界のどこかにいないかと探しているうちに、上記の三桝先生の論文と出会ったのです。
そんな方がいらっしゃっただけでも驚きだったのですが、先生が「のぞみ」がある広島の大学で教えていらっしゃることに、ただならぬ縁を感じました。
こうした偶然はさらに続きました。
「のぞみ」は、卒園児の保護者の方が架け橋となり、「アトリエぱお」の協力のもとアート教室を充実させることになりました。
初めて「ぱお」の加藤先生とお会いした際に私は、「三桝先生という素晴らしい教育者が広島にはいらっしゃって、是非、一緒にやりたいと思っている」という話をしました。
すると加藤先生は、「三桝先生のことはよく存じ上げていますから、ご紹介しましょう」とおっしゃってくれたのです。
そんなこんなで開催の運びとなったのが、今回の「みんなピカソ!」特別アート教室です。
動画を観ていただければ分かるように、《女の半身像》(1909年、ひろしま美術館所蔵)を観ながら三桝先生が投げかける質問に応える「のぞみっこ」の声は、同年代の「ニューヨーカー」から上がっていた声と同じでした。
《女の半身像》はこちら(下のほう):
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1950201769&owner_id=250900&org_id=1950179565
「子どもは元々はみんな天才」という私の持論が国境を超えて正しいことを、「のぞみっこ」が証明してくれたわけです。
そんな「ちっちゃな大芸術家たち」を見守ってくれていた一般の観覧者から、何度も「かわいいねえ~」との声が上がりました。
長年の私の夢が叶ったひとときでした。
園児が描いた作品は、「みんなピカソ!」特別展と銘打って、現在、幼稚園内で展示中であり、「てのりの」で観覧することが出来ます。
そして5月11、12日にはいよいよ、《キッズゲルニカ》の制作が行われます。
加藤先生をはじめとする「アトリエぱお」の高校生や先生たちがサポートしてくれながら、満三歳組さんから年長組さんまで全員で二つの巨大な絵を描きます。
もちろんその様子は動画配信します。
それらの作品は、5月16日から28日まで「ひろしま美術館」で、長崎、ゲルニカ、ブチャの子どもたちによって制作された作品と一緒に、「キッズゲルニカ広島2023」の出展作品として一般公開されます。
詳細はブログNo. 20をご覧ください。
「のぞみのピカソ」達の作品が、世界中からG7広島サミットにやってくる大勢の人々の目に触れることになります。