ミステリ・トランスミッター|読書の日記
ミステリー短編集、「ミステリ・トランスミッター」を読みました。
本作は、「ある女王の死」「妹の夫」「
雌雄七色」「ワイズガイによろしく」「ゴールデンレコード収集物選定予選委員会」の5つの物語りからなる短編集。
どれもメッセージをキーワードにした、時代も設定も異なったり、SF調になったりと脚色のちがう物語たちを楽しむことができます。
なかでも、個人的に好きだったのが「雌雄七色」
とある脚本家の元へ息子から送られた一通のメール。そこには今は亡き元妻から送られた7通の手紙が添えられていた。
それは、7通を書くと願いが叶うと噂されていたレターセットが使われていた。
果たして、元妻の願いとはいったい何なのか。
書簡小説となっていて、7通の手紙を読むことで脚本家の周りで巻き起こった出来事が見えてくる面白い作りでした。
おまけ「本のデザイン」
本のカバーを外して、普段隠れている本自体の表紙を眺める人はどのくらいいるでしょうか?
私は好きな漫画がそこに4コマ漫画を描いていたおかげで、購入した本は必ず一度カバーを外して中のデザインを楽しむようになりました。
文庫本は出版社の決まったデザインで統一されていることが多いですが、単行本に関しては中まで凝った作りになっている物も多くて楽しいです。
今回はミステリ・トランスミッターの表紙を見てみます。
雨のような不思議な模様が描かれてます。
最初は、模様だけかと思っていたのですが、この本の副題である「謎解きはメッセージの中に」と言うのを思い出し、もしかしてこれもメッセージだったりするのだろうか?と考えました。
この模様から連想するものといえば、モールス信号!
さっそく、アルファベットのモールス信号と照らし合わせてみると「MYSTERYTRANSMITTER(ミステリ・トランスミッター)」
この本のタイトルが現れました!
こう言うちょっとした仕掛けがあるのが、カバー裏の素敵なところです。
もし、あまりカバー裏は覗かないと言う方は、是非手持ちの本で試してみてください。
今までとは違う、その本の一面が浮かび上がってくるかもしれません。
これだから、紙の本はやめられません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。素敵な読書を!
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