【短歌】 連作『この先は冬になるから』
戦いの火蓋がMDMAで愛に目覚めて死んだのが今朝
僕よりも宇宙に近い場所に住む人をコンビニの前に捨てた
「何番目のおれだろう」と言う人と街のはずれで相部屋になる
落雷の影響でこの場所の人たちは互いのことが見えない
使われていない給水管を手でなぞれば切り傷のような風
昨年の冬の神田のあたりまでハンドクリームの匂いは届く
親知らずの跡にまた血が滲んでそこだけいつもその時の冬
この先は冬になるから僕たちはいよいよ狩られてしまうのだろう
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?