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【今を変える】適応障害者におすすめしたい本3冊

適応障害の発症によって休職することになり、突然生まれた膨大な時間。

その時間のほとんどを読書に費やした。

もともと読書好きなんだけれど、適応障害前は時間を言い訳に読書から離れた日々を送っていたのだ。

だから、ひたすら本の世界に浸ることにした。

小説・実用書・漫画。

とにかく色々な本を読んで、適応障害の不安を埋めるようにした。

たしか3、4万は本に使ったと思う。

結果的にこれが良かった。

最終的に僕は適応障害を発症した会社を離れて転職したんだけれど、転職の際に本が僕を助けてくれたのだ。

ここで簡単に僕の経歴を紹介しておく。

僕の経歴は、

・1社目で化学メーカーを経験(1年)
・2社目でIT企業を経験(1年)→適応障害を発症(休職の末、退職)
・無職期間に転職活動を開始(2ヶ月)
・4社最終面接通過・化学メーカーで採用(現在)

のようになっている。

1社目も2社目も1年で転職したジョブホッパーな自分を、普通なら採用はしたくないと思う。

僕が面接官でも敬遠する。

それでも採用してくれたのは、

・適応障害を気にしていない前向きさ
・会社に入りたい理由の納得感

などを示すことができたからだと思う。

この辺については、下記記事で詳しく解説しているので参考にして欲しい。

ただ記事に書いている思考に至ったのも、僕が転職できたのも、僕の能力が高かったのが理由ではない。

本を読んだから。

これに尽きるのだ。

本が僕を助けてくれた。
本が僕に知識をくれた。

この記事では、適応障害者にこそ読んで欲しい書籍を紹介する。


①『反応しない練習』 - 人生を否定してしまうなら、これを読め

「適応障害になったら、もう二度と社会復帰できないんじゃないか……」
「適応障害になった自分が転職できるはずない……」
「適応障害になった自分を、家族や友人、恋人は受け入れてくれるはずがない……」

適応障害を発症してしまうと、どうしても気持ちがマイナス方向に引っ張られてしまい、ネガティブ思考になりやすい。

僕も同じようにネガティブ思考になってしまい、自暴自棄になった時期があった。

そんな自分を救ってくれたのが本書だ。

本書は、仏教の考えをもとに、合理的に悩みの解決方法を教えてくれる内容になっている。

仏教と聞くと、もしかしたら「宗教だし、なにか怪しい考え方じゃないの?」と疑う人もいるかもしれない。

しかし仏教の祖であるブッダの考え方は極めて合理的なのだ。

たとえば本書のテーマである「悩みの解決方法」について、以下のように本書で記載されている。

ブッダの考え方は、私たちが日頃抱えている「悩み」を「理解する」ことから始まります。①「悩みがある」→②「悩みには理由がある」→③「悩みには解決策がある」と、順を追って「理解」していくことで、どんな悩みも確実に解決できるというのが、ブッダの合理的な考え方です。

反応しない練習

それでも僕は上記の一節を読んだとき、「いやいや、この適応障害の不安は解決できないでしょ」と半信半疑だった。

しかし本書を読み進めるうちに、適応障害から出てくる不安が間違いなく和らいでいくのを感じた。

適応障害の不安が和らぐきっかけになったのが、本書で紹介されている「妄想」「判断」という考え方だ。

妄想とは、現実には起こっていないことをあれこれと考えてしまうこと。
判断とは、自分の価値観で決めつけや思い込みをしてしまうこと。

上記のように妄想と判断の概念を理解することで、自分の適応障害の悩みを以下のように考えるようにしたのだ。

「適応障害で転職できるはずがない」というのは、現実に起こったわけではなく、自分の妄想である。
そして「転職できるはずがない」というのは、自分の価値観で判断しているだけだ。

そうやって客観的に状況を理解することで、ずいぶんと気持ちが楽になったのだ。

適応障害に限らず、自分がネガティブ思考に陥りそうになったとき、僕は何度もこの本を読み返している。

今のあなたを救う1冊になるはずだ。

②『メモの魔力』 - 今以上に自分を理解したいなら、書くしかない

本書に書いていることを一言で言うならば、

『書けば人生変わるよ』

だ。

なので、この言葉を聞いて「よし、じゃあメモ書き始めよう」と思えるなら、改めて本書を読む必要はないと思う。

『書くことが好き』ということもあり、僕はこれまでもたくさんの「書けば人生変わる」系の本を読んできた。

そのなかでも本書は群を抜いて、「今日から書こう」という気持ちにさせてくれる。

その理由は、メモをするメリットが余すことなく書かれているから。

本書ではメモをするメリットについて、以下のように書いている。

人の成長という観点において、本当にメモは偉大です。
①知的生産性が増す
②情報獲得の伝導率が増す
③傾聴能力が増す
④構造化能力が増す
⑤言語化能力が増す

メモの魔力

それぞれのメリットについて本が1冊出るくらいなのだが、本書は全てを網羅している。

それがすごい。
だからこそ、「書こう」という気持ちにさせてくれる。

本書のなかでも特に役立ったのが、「知的生産性が増す」という観点で書かれた『具体と抽象』のエッセンスだ。

具体的には転職活動で、自分の強み弱み、会社で活かせることを話すときに役立った。

『具体と抽象』とは、とある具体の出来事から核となる部分を抽象化して、別の事象に具体化する技術のことである。

新卒の面接では、学生時代に頑張ったことを聞かれたあとに、「それが弊社でどのように発揮できますか?」と聞かれたことがあるだろう。

あれはまさに学生時代に頑張った具体を抽象化させ、会社における仕事で具体化できるかを見ているわけだ。

『具体と抽象』は、細谷さんという方がそもそも提唱している考え方であり、細谷さん自身が本も出している。

が、これが結構難しくて(笑)

それをわかりやすく噛み砕いてくれたのが本書であるので、ぜひ読んでみて欲しい。

なおメモ書きにおいて、『メモの魔力』と迷った本がもう1冊。

それが『ゼロ秒思考』だ。

こちらは「頭のなかを整理する」という目的のもと、メモ書きを推奨している本だ。

本書については、メモの書き方が役立った。

A4一枚とボールペンを用意してメモをするー。

そのシンプルさが気に入って、僕はこのメモ書きスタイルを継続している。

『ゼロ秒思考』のメモ書きをベースに、『メモの魔力』で書かれている具体と抽象を実践しているので、僕はハイブリッド型かもしれない。

どちらか1冊でも良いが、できれば2冊読むことをおすすめしたい。

③『歴史思考』- 人生の勝ち負けなんて、いま分かるはずがない

適応障害になると、どうしても同年代の誰かと比べてしまう瞬間があると思う。

「あいつは元気に働いてるのに、自分は……」
「働き盛りの時期なのに、休んで良いんだろうか……」

焦りや悔しさから、なんとなく人生に『負け』を感じてしまう人におすすめしたいのが本書だ。

なぜ本書をおすすめしたいのか。

それは本書のタイトルにある『歴史思考』を学ぶことで、メタ認知が身につき、自分の人生を客観的に考えられるようになるからだ。

本書は、人気ポッドキャスト『コテンラジオ』のパーソナリティかつ株式会社コテン代表の深井さんが書いている。

コテンラジオのコンセプトは『歴史を面白く学ぶこと』であるが、ラジオ内で深井さんが度々言っているのが「歴史を学ぶことでメタ認知(歴史思考)が身につく」ということだ。

このメタ認知(歴史思考)について、深井さんは本書で以下のように述べている。

価値観は絶対ではなく、場所や時代によって変わります。
「家がある」とか「飲み水がいつでも手に入る」といった僕らの生活環境が当たり前ではないように、「人殺しはダメ」とか「体が弱い人には親切にしよう」といった僕らの価値観も当たり前ではありません。
歴史を知るとうのは、こういうことです。
僕はそれを、「メタ認知」と呼んでいます。

歴史思考

本書では歴史上の偉人を数名出して、当時の価値観のなかで、どういう偉業を成し遂げてきたかを解説してくれる。

キリスト、ガンディー、カーネルサンダースなど。

誰もが聞いたことのある偉人も、近視眼的にみると失敗に見えるのに、人生全体で見ると成功になっているのだ。

「これは偉人だけじゃなくて、僕らの人生も同じなんじゃないか……」

本書を読んで心からそう思えたとき、適応障害によって人生の勝ち負けを判断するのは早すぎると思えた。

なお、余談ではあるが、最近コテンラジオで放送されたやなせたかし回が、本当の本当に心に響いたので、ぜひ聴いてみて欲しい。

本を読むメリットとはなにか

ということで、マストで読んで欲しい本を3冊紹介した。

本を読むことのメリットとはなんだろうか。

いろいろあると思うのだけど、大きいメリットは自分以外の価値観をインプットできることかな、と。

適応障害になって塞ぎ込んでしまうと、自分のネガティブよりな価値観だけで物事を判断してしまいがちになる。

僕の場合は、
「適応障害になったら人生終わり」とか
「適応障害は転職できない」とか
が自分の価値観になっていた。

それをぶっ壊してくれたのが、本記事で紹介した本を含めた多くの本だった。

だからこそ、今適応障害で悩んでいる人は、1冊でも良いから本を読んで欲しい。

あなたの価値観が世界の全てではないことに気づけるはずだから。

そしてあわよくば、僕の記事があなたの新しい価値観になってくれることを祈っている。


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